@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

人生を賭けたカンニング。人生を賭けさせられたカンニング

 

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『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(Bad Genius)

 

タイの映画を初めて観たけど素晴らしい出来で感動した。とても終始興奮した。これからのタイ映画も楽しみになるくらいだった。

 

カンニングというおそらく一番地味な作業(ばれないためには地味であるべきだ)を、あんなドキドキさせる演出にしていて監督の手腕が光る。

 

主人公が女子生徒で悪友(あえてこう言いたい)にも女子生徒がいるので、女性の描き方が活気に満ちている。満ちすぎていて観ているこっちが汗ダラダラになるくらいだ。それにしても主人公を演じた、、さん、あなた本当に良い顔して演技する。特に悪いことをたくらんでいるときのあの顔よ.....なんでそんな表情できるのよ

 

そしてほかの3人も素晴らしい。特にパンク役のチャノンくんは顔がカッコイイし、悪友のグレースは大きな目が特徴だがそれ以上に悪いことを考えているときとても頭が切れる。そしてそんな悪友の金持ち彼氏のパットも彼もいい表情するね。そしてそのほかの同級生たち。どこかで会ったことあるのかってくらい親しみがある子たちだった。

 

映画のメッセージとして、タイの学力格差と経済格差と競争社会への皮肉もあった。アジア特有の学力社会は発展真っ最中の国が生み出す一つの側面である。そしてその国々がモデルとしてるのは短期間で発展した日本である。しかし、タイの学生たちが目指すのがアメリカの大学であるので、そこで日本の今の立ち位置が分かるし、大学の立ち位置も分かる。

 

この映画の残酷な部分は、同じ高校に奨学金で入学したリンとパンクは同じ片親かつ低所得家庭で育っているにもかかわらず、母子家庭か父子家庭かで立ちはだかる現実が違うのだ。格差の中の格差だ。本当につらい現実だが、二人がタイの現実から逃れられたオーストラリアのシーンはとても繊細で素敵だった。

 

映画のオチとして、パンクがかなりう不憫だが、私は両方の気持ちが分かるし、パンクの悪いことしてのし上がる気持ちも、リンの告発したい気持ち両方が大事だと思った。早くアジアの子ども達が格差や競争から解放されることを祈るとともに何か行動を起こしたいとも思った。

 

最後に余談だが、この映画は高校生同士の悪だくみツールとしてLINEがかなり多用される。かなり宣伝にもなかったんじゃないか。そしてあの音を当分聴きたくない気分だ。