@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『キラー・ナマケモノ』

 

『キラー・ナマケモノ』 (Slotherhouse) [2023年アメリカ]

 

パナマのジャングルで捕獲されたナマケモノアメリカに密輸入された。地味な学生生活に焦りを感じていた女子大生エミリーは怪しげなペット業者に勧められ、SNSで人気を獲得するべくナマケモノを飼うことに。ペット業者を人知れず惨殺したナマケモノはエミリーに連れられ、大学の女子寮へやって来る。女子大生たちはナマケモノの愛くるしい姿に夢中になり、たちまち人気者となったナマケモノは「アルファ」と名付けられて寮のマスコット的存在となる。おりしも寮は会長選挙戦の最中で、人気と権力のシンボルであるティアラをめぐって女子大生たちがバトルを繰り広げるなか、ナマケモノは鋭いカギ爪で1人また1人と彼女たちを血祭りにあげていく。監督はマシュー・グッドヒュー。出演はリサ・アンバラバナール(エミリー)、シドニー・クレイブン(ブリアナ)、オリビア・ルーリエ(マディソン)、ビアンカ・ベックルズ=ローズ(ゼニー)ほか。

 

 仲が悪かった女子学生同士がふとした出来事で仲良くなり友情をはぐくむというアップデートされたギャグ強めの学園モノにナマケモノがのっかってくるという、テンポも良い大変お得な映画である。確かに企画ありきの映画であることには変わりないのだが、とにかく作り手が真剣に作っているのが伝わってくるのが嬉しい。去年観た『プー あくまのくまさん』よりずっと面白いし、私は本作の方を高く評価したい。

 

 ナマケモノもあきらかに人形だけど、見せかたとユーモアと気合で画面の中に違和感なく溶け込ませているのが凄い。キャストじんの魅力もあると思うし、ナマケモノという生き物自体がそうさせているのだろう。ナマケモノ、万歳だ。

 

 ナマケモノのアルファはメスで本作は女性が多く登場するし、実はこの映画は『エイリアン』などのモンスターパニック映画のお約束をたくさん踏んでいる映画でもあった。エミリーの彼氏も出てくるがほとんど女性しか出てこないのでハリウッドで中規模から大規模で作られるモンスター映画よりずっと本作の方がとがっていると思う。

 

 アルファも最初の方は寮で心地よく過ごしていたし、そもそもパナマにいれば人を殺すことなく過ごしていただろう。あの密売人が一番悪そうに思えるが、寮の女子学生が次々に失踪しているのに何にも疑問を持たない大学と寮が本作最大のヴィランだろう。