『マダムウェブ』 (Madame Webb) [2024年アメリカ]
ニューヨークで救命士として働くキャシー・ウェブは、生死の境をさまよう大事故にあったことをきっかけに、未来を予知する能力を手にする。突如覚醒した能力に戸惑うキャシーだったが、ある時、偶然出会った3人の少女が、黒いマスクとスーツに身を包んだ謎の男に殺される悪夢のような未来を見たことから、図らずもその男から少女たちを守ることになる。監督はS・J・クラークソン。出演はダコタ・ジョンソン(キャシー/マダムウェブ)、シドニー・スウィーニー(ジュリア)、セレステ・オコナー(マティ)、イザベラ・メルセド(アーニャ)、エマ・ロバーツ、タハール・ラヒム(エゼキエル)ほか。
もうとにかく今後のビッグバジェッドのヒーロー映画が心配になるレベルで脚本が崩壊している。脚本が完成していない状態で撮影が始まったのではないかと疑いたくなる。ラストのキャシーがマダムウェブになって3人を従えて出てくるあの絵、あの絵が一本まるまる映画になった作品がみたいのに。マダムウェブっていう映画が今まで存在していたかのように、まるで本作が何かの前日譚みたいになっている。観たことも聞いたこともない作品の前日譚って、そりゃつまらないよ。せっかく監督&出演が女性に巡ってきて、マーベルかコロンビアかどちらかかまたは両方か、全く映画製作に力を入れていない。勿体無いよ。
役者陣が頑張っているから、本当に気の毒に見えるんだよね。未来のビジョンが見える設定も演出と言うよりダコタ・ジョンソン便りでしょ、ポストプロダクションが機能してない。ダコタ・ジョンソンとエマ・ロバーツって作品に恵まれていないよ(良いのもあるよもちろん)。シスターフッドは良かったけどね(ここしか褒めるところが無い)。あと音楽も良かったね、Yeah Yeah Yeahsの"Miles Away"とかBritney Spearsの"Toxic"とかThe Cranberriesの"Dreams"とかね。