@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『貴公子』

 

『貴公子』 (The Childe) [2023年韓国]


フィリピンで暮らす貧しい青年マルコは病気の母のため、地下格闘で日銭を稼いでいた。ある日、マルコはこれまで一度も会ったことのない韓国人の父が自分を捜していると聞き、韓国へ向けて旅立つ。マルコは飛行機の機内で、自らを「友達(チング)」と呼ぶ怪しい男「貴公子」と出会う。美しい顔立ちで不気味に笑う貴公子に恐怖を感じて逃げ出すマルコだったが、執拗に追われ徐々に追い詰められていく。監督はパク・フンジョン。出演はキム・ソンホ(貴公子)、カン・テジュ(マルコ)、キム・ガンウ(ハン)ほか。

 

 『THE WITCH/魔女』シリーズを監督しているパク・フンジョンということだけあって、話とかスタイルが似てる。森の中の一軒家で戦うとか、それこそ森の中での戦いとかドライブシーンとか似てる。話も"運命づけられた子"を殺しに来るというテーマも似てる。ただ『THE WITCH/魔女』はどこか超能力バトルみたいな側面があったが。本作ではそれと違って結構リアルなアクションだった。

 

 正直フィリピンでのシーン(40分~50分くらい)は本当に退屈で、それからマルコが韓国に行って、貴公子がマルコを殺そう(=守ろう)とするシーンも、観客とマルコはよく分からないうえに恐怖のシーンが連続するのでつまらない。ただマルコがなぜ韓国に来たのかを伝えられたシーンから徐々に面白くなるが、ここですでに女性時間が1時間超えているので、もっと早くマルコの正体を明かせず気だったんのでは。なんか長くてまったりとしていて、このシーンやたら長くない?と思うことが多かった。まあ男性を色っぽく撮りたいのは分かるんだけど。

 

 ラスト20分で貴公子の正体が明かされるのはとても面白くて、本当に同じ映画なのかと思うくらいトーンも画面も明るくなる。もうこのトーンでまるまる一本作れば良かったのにね、勿体無い(今年観た『ジェントルマン』もこんな感じだったが、韓国映画内の流行かも)。

 

 まあメッセージは面白くて、血の通ったきょうだいより(本当は違うけど)、よく分からない友達の方が良いでしょっていうオチでまあロマンチックな映画だ。「殺したい=守りたい」みたいな、ちょっと昔のサスペンスに出てくる同性愛的欲望(ステレオタイプだけど)を描いているようにも見えて、古典的な作品なのかもしれない。