@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ロスト・ドーター』Netflix

『ロスト・ドーター』(The Lost Daughter) Netflixオリジナル

 

海辺の町へバカンスにやって来た中年女性レイダは、ビーチで見かけた若い母親ニーナと幼い娘の姿に目を奪われる。母娘の関係に動揺したレイダは、かつて自分が母親になったばかりで恐怖と混乱に満ちていた頃の記憶に押しつぶされそうになり、心の中の不気味な世界へと迷い込んでいく。

 

 監督兼脚色がマギー・ギレンホールで出演がオリビア・コールマン、ジェシー・バックリー、ダコタ・ジョンソンエド・ハリスピーター・サースガードと超豪華である。初監督らしいがかなり上手に撮影してある。

 

 まず映画全体から常に不穏な空気で進んでいき、なぜレイダがビーチで若い母親ニーナとその娘に夢中になってしまうのか物語の後半で少しずつ明かされる。映画の内容は今までの作品でひたすら神聖化された母性や母親を人間化することに重きを置いている。そのぞっとするほどの他人である子どもが機嫌が悪くなったりぐずったりするシーンは映画と分かっていてもかなりこちらも体調が悪くなる。おそらくこれは狙った演出である。この内容や演出は最近だと『カモン カモン』でも同じだった。母親や母性を神聖化せずしっかりと描く感情を持った完ぺきではない(もしくは悪い点を持った)人間として描こうとするのは最近の流行なのかと。

 

 またこの映画では母親同士なら無条件で協力し合えるよね的な神聖視せず、母親同士だからと言って簡単に協力し合えるものでもないんだということを描いてもいた。まあレイダも勝手に人形奪ったり、ビーチでひたすら人間観察してれば周りから気味悪がられるのも無理はない気がするが。

 

 映画のラストではレイダに成長した娘から心配する電話がかかってきて涙を流して喜ぶ(もしくは呆れていたのか)オチで終わる。映画としても子供を捨てた母親を良くも悪くも断絶しないオチ、もしくは観客に委ねているラストにしていた。