@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』

大変意義のある作品だと思うがラストが好きじゃない...

 

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『プロミシング・ヤング・ウーマン』(Promising Young Woman)

 

Netflixオリジナルシリーズ「ザ・クラウン」でチャールズ皇太子の妻カミラ夫人役を演じ、テレビシリーズ「キリング・イヴ Killing Eve」では製作総指揮や脚本を担当するなど、俳優・クリエイターとして幅広く活躍するエメラルド・フェネルが、自身のオリジナル脚本でメガホンをとった長編映画監督デビュー作。ごく平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描く。主人公キャシーを「17歳の肖像」「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンが演じ、「スキャンダル」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」や「スーサイド・スクワッド」で知られる女優マーゴット・ロビーが製作を務めている。2021年・第93回アカデミー賞で作品、監督、主演女優など5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。

 

 復讐劇とラブロマンスを同時並行に進む練られた脚本は凄いと思う。キャシーの復讐は単なる男だけでなく、沈黙を強制した女性たちにも向くあたりはかなり辛辣な作品だと思うし、レイプ・カルチャーそのものに対して告発している画期的な作品で。画期的過ぎて議論を巻き起こしたらしいが、なんとなくその理由は分かる。監督もおそらくわざと論争を巻き起こすように作ってある。

 

 この作品はレイプ・カルチャーを告発する内容だが、実はこの作品自体がレイプ・カルチャーを象徴した作品にもなっていると思う。まずキャシーは大親友のニーナに起こった事件が原因で復讐をするのだが、まずそれが自分の愛する人に起こったからこそレイプそのものに怒って、自分の愛する人以外のレイプには無関心というレイプ・カルチャーの象徴である一面をキャシー自身が体現してしまっているところだ。またキャシーの復讐方法が少し自傷的な行為に見える。これはあんまり良くない気がするが、おそらくこれも監督の論争を巻き起こそうとする設定の一つなのだと思う。まあそれでもキャシーが死ぬラストは好きじゃない...