@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ぼくは君たちを憎まないことにした』

 

『ぼくは君たちを憎まないことにした』 (Vous n'aurez pas ma haine) [2022年ドイツ・フランス・ベルギー]

 

2015年のパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を失ったアントワーヌ・レリスが、事件発生から2週間の出来事をつづった世界的ベストセラーを映画化。2015年11月13日の朝、ジャーナリストのアントワーヌと幼い息子メルヴィルは、仕事へ急ぐ妻エレーヌを送り出す。しかしその夜、パリで多数の犠牲者を出すテロ事件が発生し、エレーヌも命を落としてしまう。アントワーヌは誰とも悲しみを共有できない苦しみと今後の育児への不安をはねのけるように、妻の命を奪ったテロリストへ向けてメッセージを書きはじめる。ひと晩で20万人以上がシェアした彼の「憎しみを贈らない」宣言は、動揺していたパリの人々を落ち着かせ、テロに屈しない団結力を生み出していく。監督&脚本はキリアン・リートホーフ。出演はピエール・ドゥラドンシャン(アントワーヌ)、カメリア・ジョルダナ(エレーヌ)、ゾーエ・イオリオ(メルヴィル)ほか。

 

 妻エレーヌをテロで急に亡くしたアントワーヌがタイトルになったエッセイをfacebookに投稿するまで、そしてその後の日常を描いている。アントワーヌの文面上では整理したように見えた気持ちが実はまだエレーヌの死を引きずっていて、気持ちの整理がついておらず、日常が立ち行かなる様子をじっくり描いていたことに感心した。じっくり描きすぎて途中はもたついている印象もあるが、まあ実際はあれくらい時間がかかるものなんだろうね。アントワーヌの眠りから始まり、アントワーヌの眠りで終わり、日常が戻ってくる映画であった。

 

 メルヴィル役のゾーエ・イオリオくんは本当に凄かったのですが、あれって演技しているのかな。そもそも2歳児ってあんなに演技できるものなのだおるか。今年観た『CLOSE/クロース』も子役の子が凄いと思ったのだが、フランス映画における子役の力量でどうなっているのだ。

 

 テロで親族を亡くした人に焦点を当てているので静かな力強い作品だが、気持ちに寄り添う感じでテロがテーマの映画って意外とアメリカには少ないなと改めて思った。もし作られても誰かしらのヒーローみたいな役柄の人がどうしても出てくるので。