『エクソシスト 信じる者』 (The Exoricist: Believer) [2023年アメリカ]
ビクターは12年前に妻を亡くし、娘のアンジェラを1人で育てている。ある日、アンジェラが親友キャサリンと一緒に森へ出かけたまま行方不明になってしまう。3日後、2人は無事に保護されるがその様子はどこかおかしく、突然暴れたり叫んだりと常軌を逸した行動を繰り返す。ビクターは50年前に同じような経験から愛娘を守り抜いた過去を持つクリス・マクニールに助けを求め、悪魔祓いの儀式を始めるが……。監督はデビッド・ゴードン・グリーン。出演はレスリー・オドム・Jr.(ヴィクター)、リディア・ジュエット(アンジェラ)、オリビア・オニール(キャサリン)、アン・ダウド(アン)、エレン・バースティン(クリス)ほか。
あのウィリアム・フリードキンが手掛けた『エクソシスト』第1作目の正式な続編と言うことで、初代に出演していたクリスとローガンが歳をとった状態で出演していて、かつ物語の世界観も初代の世界に続く世界線である。ブラムハウスが手掛けているということもあり、非常に楽しみにしていたのだが正直微妙だった...もうちょっと攻めて作ればよかったのにな。まあそもそも初代『エクソシスト』も今年の午前十時の映画祭でリバイバル上映していたのを観に行ったのだが、いうほど名作だと思わなかったし、なんならかなりヘンテコな映画だと思ったし、俗物みたいな作品なのに変に名作扱いされている気がしたので、本作の微妙な出来を見て、むしろ本来あるべき俗物に戻った気がしたので、これで良かったと思う。
でも初代にあった階段のモチーフや科学と宗教の対立みたいな深いテーマは消え去り、ただ子役の演技を見るだけの映画になってしまったのは残念だ。どうせアン・ダウトが出てるんだから、何かを継承した主人公とカルトと悪魔の三竦み的な戦いをすればもっと面白かったなのにな。
またこの映画はけっこうプロ・ライフ的な価値観の映画だ。中絶して妻を助けようとしたヴィクターに罰を与えるかのように、生まれてきた子供が呪われるなんて、プロ・ライフが喜びそうな映画だ。