『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』(Spider-Man: No Way Home)
前作でホログラム技術を武器に操るミステリオを倒したピーターだったが、ミステリオが残した映像をタブロイド紙の「デイリー・ビューグル」が世界に公開したことでミステリオ殺害の容疑がかけられてしまったうえ、正体も暴かれてしまう。マスコミに騒ぎ立てられ、ピーターの生活は一変。身近な大切な人にも危険が及ぶことを恐れたピーターは、共にサノスと闘ったドクター・ストレンジに助力を求め、魔術の力で自分がスパイダーマンだと知られていない世界にしてほしいと頼むが……。
まず歴代のヴィランたちはともかく、歴代のスパイダーマンを演じた二人はよく出演してくれたと思う。ありがとう。みんなはきっとメイキング映像を観たいと思うけど、私は二人にどうやって出演交渉したのかを是非知りたい。
ぜんぶありがとうって感じの内容で不満は特にありません。特にこれってヒーロー映画にありがちな冷蔵庫に入っていく人たちのことを考えた回収の仕方じゃないかな、だからアンドリュースパイディーがMJを救って、トビースパイディーが復讐にかられそうになったトムホスパイディーを止めたわけだし。全員がケアする人になったことで、本当にこのシリーズは完結したんだなと思う。
最後は十代のヒーロー映画とは思えないくらい暗く辛いんだけど、(メイおばさんをはじめ近親者を相次いで亡くして、おまけに大事な人たちに自分が誰であるかを忘れられているし、ブルックリンのあの地区で未成年者が一人暮らしは金銭的にも精神的にもきついだろう)、ああいう選択ができるのは自分が今まで色んな困難を乗り越えていてその経験をしっていて、立ち上がれる力を持っていることを知っているからだからなど思う。このエンパワメントは十代で培うのにとても大切な要素だし、改めてこのアベンジャーズのスパイダーマンは若者の成長物語の映画であったし、青春映画としても傑作の部類に入っているのだと思う。
唯一不満を言うと、メイおばさんが死んですぐに歴代のピーターが現れる興奮するシーンに入るため、感情の起伏が激しくなって少し映画に感情が追い付かなくなってしまい、特にメイおばさんが好きだった人は歴代のピーターが話し合うシーンとかもあんまり記憶にないんじゃないかな、かくいう私も一回目見たときそうだったから。