@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ブルックリンでオペラを』

 

『ブルックリンでオペラを』 (She Came To Me) [2023年アメリカ]

 

ニューヨーク、ブルックリンに暮らす精神科医のパトリシアと、現代オペラ作曲家のスティーブンの夫婦。人生最大のスランプに陥っていたスティーブンは、愛犬との散歩先のとあるバーで、風変わりな船長のカトリーナと出会う。カトリーナに誘われて船に乗り込んだスティーブンを襲ったある事態により、夫婦の人生は劇的に変化していく。監督&脚本はレベッカ・ミラー。出演はアン・ハサウェイ(パトリシア)、ピーター・ディンクレイジ(スティーブン)、マリサ・トメイ(カトリーナ)、ヨアンナ・クーリグ(マグダレナ)、ブライアン・ダーシー・ジェームズ(トレイ)、エバン・エリソン(ジュリアン)、ハーロウ・ジェーン(テレザ)ほか。

 

 監督がレベッカ・ミラー、音楽がブライス・デスナー、主題歌がブルース・スプリングスティーンっていう、バランスが取れているんだか取れていなのか、よく分からないけど、サム・レヴィの撮影がやたら凄くて、とにかくそれぞれの個性が活かされ過ぎていて、アンバランスな印象を受けた。脚本も「よくこの題材で一本映画を作ったな」と思うほど何かドラマ性が弱くて刺激が欲しくなるけど、現代の『ロミオとジュリエット』みたいで、脚本の刺激の弱さもキャストの魅力でカバー出来ていたので個人的には満足でした。

 

 ○○違いの恋愛が本作のテーマで、それがスティーブンとカトリーナ、ジュリアンとテレザの二組のカップルで描かれる。ただスティーブンとカトリーナは大人の恋愛だから良いとして、ジュリアンとテレザは微妙というか、ここが一番『ロミオとジュリエット』っぽい。ジュリアンが18歳でテレザが16歳で、かつ異人種カップルなのだが、それがどうもテレザの継父であるトレイは許せない。年齢差があることより彼氏のジュリアンが非白人であることが気に入らないようで、ジュリアンを未成年性交で訴えようとするが、このトレイから逃げるようにジュリアンとテレザは未成年の結婚が許されている州へ逃げるというのが本作の山場であり、かなり強引な点だ。ただこのトレイの人物描写がかなりリアルで、自分の娘が非白人(特に黒人男性)と付き合っているのは許せないくせに、自分自身は立場の弱そうな白人女性と結婚しているのだ。そしてその女性を守ることで自らの優位性を保持し優越感を感じる男性なのだろう。こういう男性って実際アメリカにいるだろうな(ドナルド・トランプがいい例だ)。しかもトレイが南北戦争にこだわりをもっていて、この自分たちの白人の歴史を保持したい研究したいと思っている白人男性は、そうじて問題アリみたいな意識がアメリカに存在しているんだろうね。

 

 テレザの部屋に私が大好きなWeyes Bloodのポスターが貼ってあって、大変音楽の趣味が良い子だと思ったのですが、監督がWeyes Bloodを好きなのか、それとも製作人の誰かが好きなのか、それともテレザ役の役者が好きなのか気になる。と言うのもWeyes BloodはSub Pop所属のインディミュージシャンでこういう映画ではあまり触れられないタイプのミュージシャンだからだ。こういう映画で自分の好きなインディミュージシャンのポスターが出てくると本当に嬉しいなと思った。何なら劇中歌でWeyes Bloodの曲流せば良かったのに。