@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『オーメン ザ・ファースト』

 

オーメン ザ・ファースト』 (The First Omen) [2024年アメリカ]

 

アメリカ人のマーガレットは新たな人生を歩むべくイタリア・ローマの教会で奉仕生活を始めるが、不可解な連続死に巻き込まれてしまう。やがて彼女は、恐怖で人々を支配するため悪の化身を生み出そうとする教会の恐ろしい陰謀を知る。全てを明らかにしようとするマーガレットだったが、さらなる戦慄の真実が彼女を待ち受けていた。監督はアルカシャ・スティーブンソン。出演はネル・タイガー・フリー(マーガレット)、ビル・ナイ(ローレンス)、ソニア・ブラガ(シルヴァ)、ラルフ・アイネソン(ブレナン)ほか。

 

 私は『オーメン』シリーズを全く知らないので本作だけの感想になる(グレゴリー・ベックが出演しているのを知っているくらい)。長編初監督とは思えないくらい、ホラーの王道を詰めたような巧みな演出で観ていてとても楽しい。途中まではローマカソリックの腐敗をマーガレットが暴くかのような感じでとてもハラハラする。それこそ現実で起きていた神父による児童への集団性的暴行事件を彷彿とさせる感じだ。

 

 ただマーガレットの正体が分かった瞬間から少し駆け足で強引になってしまったのが残念。もちろん前日譚の物語なので物語を大きく変えるというのに無理があるがのは理解できるが、それでもあのオチは見ていて非常に胸糞悪い。結果的に教会の権力に負ける話なのは残念だ。この辺は去年観た『エクソシスト』の前日譚と同じ気持ちになった。

 

 あとこの映画は非常に描かれている価値観が危ないというか、マーガレットが悪魔の子を妊娠していると知った瞬間に「この子を殺さないと」と中絶するのだが、結局それが失敗し、非常に苦しい出産を罰のように強いられるという形で女性が制裁される。もちろん作り手がプロライフということではないかもしれないが、結果的にプロライフ的な物語になってしまっている。また一貫して映画内では抗議活動が非常にネガティブなこととして描かれているのも非常に保守的な印象を受けた。そのくせにマーガレットが娘への愛に急に目覚めて育てたいという気持ちは美しく描くのも母性を神聖し過ぎと思う。

 

 本作はマーガレットが獣?みたいなものにレイプされるシーンがあり、それがかなり煽情的に演出されるので非常に気味が悪い。日本配給のHP見ている分には特に警告などないが、あの感じだと配給側から一言警告があってもいい気がする(ディズニー仕事しろ)。また一番許せないのが映画前半のマーガレットがある出産を目撃するシーンのモザイクだ。あのモザイクを入れないととPG12で公開できないから、ビビったディズニーがあのようなモザイクを施したのだと思うなら、だいぶ映画の品質を落としていた。まあ結局ディズニーも保守的だからな。