『FLY! フライ!』 (Migration) [2023年アメリカ]
アメリカ北東部、ニューイングランドの小さな池に暮らすカモの家族。父親のマックは、興味本位で池を飛び出したカモの悲惨な末路を子どもたちに語って聞かせるのが日課で、池にいれば一生幸せに暮らすことができると信じていた。ところがある日、彼らの暮らす池に移動途中の渡り鳥が立ち寄り、その自由な姿に妻や子どもたちは大興奮。自分たちも外の世界を見てみたいと言い始めたことから、一家はカリブ海の楽園ジャマイカを目指し、3000キロの大移動に乗り出すことになるが……。監督はバンジャマン・レネーヌ。出演はクメイル・ナンジアニ(マック)、エリザベス・バンクス(パム)、チャンプ(オークワフィナ)、デルロイ(キーガン・マイケル=キー)ほか。
「ここではない、どこか別に私の居場所がある」「冒険したい」というアメリカのフロンティア精神を讃える映画で、かつ野性味ある父と母と子ども2人という、家族大好きアメリカ映画でもある。ただ私は断固自由人ダンおじさん派だ(みんなそうだよね?)。映画自体も楽しかった。
最近『デューン 砂の惑星 PART2』公開の影響でSNS上で映画への没入感とかIMAX映画増加への是非みたいな話が話題になっていたが(何て狭い世界のなのでしょう)、本作のニューヨークの街中を滑空するシーンとか、ジャマイカを楽しんで飛ぶシーンとか、あの没入感本当に凄かったよ。別にIMAX上映向けに作ってないはずだけど、それでもあんなに凄い飛翔シーンを作れるんだから、そんなに上映フォーマットにこだわらなくてもいいんじゃないかと。
私は字幕版で鑑賞したのだが、私の同じ列にいた英語喋っていた二人組が、とにかく前述したその飛翔シーンに声を上げて興奮していたので、終始「うん、分かる」って感じだった。まあとにかく楽しい鑑賞体験ができた。