@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『デューン 砂の惑星 PART2』

 

デューン 砂の惑星 PART2』 (Dune: Part Two) [2024年アメリカ]

 

その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。監督はドゥニ・ヴィルヌーブ。脚本はドゥニ・ヴィルヌーブ、ジョン・スパイツ。原作はフランク・ハーバート。撮影はグレイグ・フレイザー。音楽はハンス・ジマー。出演はティモシー・シャラメ(ポール)、ゼンデイヤ(チャニ)、レベッカ・ファーガソン(ジェシカ)、アニャ・テイラー・ジョイ、ジョシュ・ブローリン(ガーニイ)、ハビエル・バルデム(スティルガー)、ステラン・スカルスガルド(ウラディミール)、オースティン・バトラー(フェイド)、デイブ・バウディスタ(ラッバーン)、クリストファー・ウォーケン(皇帝)、フローレンス・ピュー(イルーラン)、シャーロット・ランブリング(ガイウス)、レア・セドゥ(マーガレット)ほか。

 

 PART 1よりスペクタクルとアクションが増していて凄く面白かった。IMAXと通常上映で2回観たのだが、正直IMAX上映は興奮しすぎて映画の内容をあまり憶えていなかった。まあそれくらい楽しい映画だ。サンドワームに乗るシーンとか本当に凄いなと思った(ポッと出のポールが簡単にサンドワームに乗っているのを見て、「ナウシカがオームと和解するのにどんだけ苦労したと思ってるの?」的なナウシカモンスターペアレントみたいになってしまった)。

 

 ただ個人的には地味だと散々言われていた1作目の方が話の内容が伝わってきて面白かったのだが、本作ではいわゆる救世主信仰を批判している内容でその内容を一身に引き受けているのがチャニなのだが、正直それが上手くいっていないというか、スペクタクルすぎて物語のメッセージが伝わらないということが起きてしまっていた。どうしてもチャニだけが救世主信仰に疑問を持っているので、他にも疑問を抱く登場人物が出てくればなと思う。またPART 1の語り部がそのチャニで、侵略される側のフレメンの視点があった物語だったのだが、PART 2は帝国側のイルーラン姫が語り部に変わっており、それがより救世主信仰を描いた作品だという側面を強化してしまったと思う。ただ女性を語り部にしようという試みは大変良いと思うし、PART 3があるとすれば次の語り部はアニャ・テイラー・ジョイだろうな。しかもポールがフレメンに認められていくところは本当に『アバター』みたいな白人酋長モノみたいだった。

 

 また本作は非常にプロライフ的な物語でもある。まあドゥニ・ヴィルヌーブは『メッセージ』や『灼熱の炎』の時でもそうだったが、宿命づけられた女が出産して子供を育てる話をよく作る。たとえ妊娠の経緯がどうであれ、そうだ。ドゥニ監督は大好きな作品だが、いつもそのプロライフ的なメッセージがいかせん好きではないのだが、カナダ出身のドゥニ監督にとってカナダは中絶にアクセスしやすいからこういうプロライフ的なメッセージを込めることに違和感ないのだろうけど、本作はアメリカの巨大資本を使ってプロライフ的なメッセージを込めているので、その辺がすごく危ないというか、ハリウッドはなんだかんだ言って本当に保守的なところだと改めて思った。だからと言って映画の面白さが損なわれるとかでは全くないですが。