@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』

 

『映画ドラえもん 地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』 [2024年日本]

 

学校の音楽会に向けて、苦手なリコーダーの練習をしているのび太の前に、不思議な少女ミッカが現れる。のび太の奏でるのんびりとした音色が気に入ったミッカは、音楽がエネルギーになる惑星でつくられた「音楽(ファーレ)の殿堂」にドラえもんのび太たちを招待する。ミッカはファーレの殿堂を復活させるために必要な音楽を一緒に演奏する、音楽の達人を探していたのだ。ドラえもんたちはひみつ道具「音楽家ライセンス」を使って殿堂の復活のため音楽を奏でるが、そこへ世界から音楽を消してしまう不気味な生命体が迫ってくる。監督は今井一暁

 

 相変わらずドラえもんの道具を使った時系列イジリと伏線回収のある展開は見事だ。映画の後半でのび太が音が存在しない宇宙に放り出されたときの無音の演出は科学的事実に基づいたしっかりとしたシーンで、このシーンの異常な孤独と恐怖が伝わってくるのも良い。こんなに宇宙で奏でる音楽というテーマなのに、本当の宇宙では音は存在しないんだよと教えてれる子供向けの作品はとても意味のあることだ。

 

 本作は皆で奏でるオーケストラ音楽がテーマということで、とにかく音が凄く良かった。私は立川シネマシティで本作を鑑賞したのだが、映画館側が極音上映でかけていたのが納得するくらい、作品側の音へのこだわりを感じることができた。ただ音楽と言っても、本作で良いとされる音楽は皆で奏でる音楽で(自力で演奏すると言ってもいい)、歌詞付きのポップスとかは端っこにいる存在だ。それゆえエンディングテーマを担当したVaundyは可哀そうだなと思った。また本作のヴィラン的な立ち位置の生命体がノイズというものらしく、おそらくそれは不協和音という意味でのノイズだが、ノイズ音楽とかあるけど、ノイズ音楽も居場所が無いみたいです。

 

 本作は具体的な敵みたいな人間がいるわけではなく、未確認生物みたいな宇宙のブラックホールみたいな少し分かりづらいモノと闘うのだけど、これって凄く今っぽいというか、あれってきっと気候変動のメタファーだね。おそらくドラえもんのメインターゲット層である子どもたちの敵はああいうのなんだろうね。リアルだと言えばすごくリアルだ。あとどこか『天空の城ラピュタ』みたいな話でもあった。