@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ARGYLLE/アーガイル』

 

『ARGYLLE/アーガイル』 (ARGYLLE) [2024年イギリス・アメリカ]

 

謎のスパイ組織の正体に迫る凄腕エージェント・アーガイルの活躍を描いたベストセラー小説「アーガイル」の作者エリー・コンウェイは、愛猫アルフィーと一緒にのんびり過ごす時間を愛する平和主義者。新作の準備を進めている彼女は、アルフィーを連れて列車で移動中に謎の男たちに命を狙われ、エイダンと名乗るスパイに助けられる。やがて、エリーの小説が偶然にも現実のスパイ組織の行動を言い当てていたことが判明。エリーの空想のはずだった世界と、命を狙われる現実との境界線が曖昧になっていくなか、敵の一歩先を行くべく世界中を駆け巡るエリーだったが……。監督はマシュー・ボーン。出演はブライス・ダラス・ハワード(エリー)、サム・ロックウェル(エイダン)、サミュエル・L・ジャクソン(アルフレッド)、ブライアン・クラストン(リッター)、キャサリン・オハラ(ルース)、ソフィア・ブテラヘンリー・カビル(アーガイル)、ジョン・シナ(ワイアット)、アリアナ・デボース(キーラ)、デュア・リパ、リチャード・E・グラントほか。

 

 まず鑑賞中ずっと安っぽい視覚効果にどんよりしてしまった。そのくせにスパイ映画のお約束にならっていろんな国へ訪れるから、本当にCGのアラと正確性の無さが目立って仕方が無かった。アップルとユニバーサルが製作に関わっていてこの質なのかと心配になる。本当にハリウッドは視覚効果班の待遇を改善すべきだと思うよ。まあそもそもマシュー・ボーンに地理的な正確性とか他文化への尊重を求める方が間違っているんだろうけど。CGだけじゃなくてけっこう脚本も強引なところがあって、最初からエリーの正体が判明するまで「この人たちなんでこんなところにいるの?よく分からない」みたいな状態が永遠に続くかと思って心配してたんだけど、エリーの正体が分かってからはまあ多少は面白くなる。

 

 終始一貫してマシュー・ボーンがカッコイイと思うことしか盛り込んでない映画である。猫好きというエリーの設定も別にネコが好きだからとか言うんじゃなく、「中年の寂しい女性はネコ飼ってるよね、面白いよね、でもねこの女性は本当はスパイなんだ、僕が心から惚れてる女なんだ」みたいなやつがやりたくてネコが出てくるだけだ。というか本当にネコが好きなら、あんな高さからネコを突き落とすみたいな演出入れないだろう。ああいうネコの間違った知識をたとえフィクションでも挿入しないで欲しい。というかマシュー・ボーンはネコもイヌも何だと思ってるんだ。人間の道具じゃないぞ。あのネコを突き落としたシーンでまじめに観る気が失せた。まあマシュー・ボーンに誠実性を求める方が間違っているんだろうけど(2回目!!)。そもそも俺が求めるカッコイイを映画にしたいのなら、あの終盤のエリーの金髪&金ドレスのダサさに気付けよ。あんな恰好をよくプライス・ダラス・ハワードにさせるな、ある意味で感心したよ。

 

 あとあれだけエリーとエイダンのヘテロセクシャルのロマンスはロマンティックに進行する一方で、禁じられているのは同性愛だ。エリーは言わばアーガイルと同一人物で、映画内でも何回もアーガイルがフラッシュしてくるシーンが挿入される。それでいてエイダンはワイアットである。ということはアーガイルとワイアットは創作上で男性同士のカップルということでもいいはずだ。それなのに最後にエリーがわざわざ「(二人は)よき相棒です」みたいなオチをつける。これに心底ガッカリした。2024年のビッグバジェッド映画でで未だに同性愛は禁止されているのか。まあマシュー・ボーンに同性愛を描けと、誠実性を求める方が間違っているのだろう(3回目!!!)