@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ストリートダンサー』

 

『ストリートダンサー』 (Street Dancer 3D) [2022年インド]

 

インド系の青年サヘージ率いるヒップホップダンスグループ「ストリートダンサー」と、パキスタン系の女性イナーヤト率いる「ルール・ブレイカーズ」はライバル同士で、街で遭遇するたびにダンスバトルで火花を散らしていた。ある日イナーヤトは、レストラン店主ラームが南アジア系の路上生活者に食事を無償提供していることを知り、その活動を応援する資金を得るため、優勝金10万ポンドのダンスバトル「グラウンド・ゼロ」に挑戦することを決意。一方サヘージは仲間と別れてイギリスのグループ「ザ・ロイヤルズ」に加入し、グラウンド・ゼロに挑む。監督はレモ・デソウザ。出演はバルン・ダワン(サヘージ)、シュラッダー・カプール(イナーヤト)ほか。

 

 とてもアグレッシブで観ていて大変楽しいダンス映画である。インド映画的なミュージカル演出もあるが、あくまでダンスがメインの映画であるらしい。全部がそうだとは言わないが、インド映画は内容に関係なく物語の起伏や人物の心情の変化を歌と踊りで表現する演出することが多いが、本作は登場人物が"自分たちは今踊っているのだ"いう自覚があるという特色があり、そういう意味でも他のインド映画とは少し違う様相がある。

 

 ストリートダンサーもルール・ブレイカーズもロイヤルズもとにかくどのダンスグルームのダンスも振り付けも演出も凄くて、最終的にはみんな互いの表現を認め合って終わるという、とても平和的な映画である。私はダンスは表現であり競争の要素はあまり必要ないのではないかと思っているので、この映画のオチは大変良いと感じた。ただこの映画におけるダンスは誰かに還元しなくてはいけない、自分のために踊ってはいけない的な芸術のスタンスの映画で、そこは異議ありだ。私は別に芸術は何も全て誰かの役に立つ必要はないと思ってるので。

 

 ダンスの映画であるが、本作の一番伝えたいことはイギリスにおけるインド系やパキスタン系の移民の窮状なのだと思う。けっこうその窮状を伝えるシーンはシリアスに撮っている。ラストのチャリティ団体SWATの活動内容の紹介するシーンをけっこう挿入していて、この映画はきっとこういうのを伝えるために製作したんだろうなと感じた。