@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ジェントルマン』

 

『ジェントルマン』 (Gentleman) [2022年韓国]

 

「依頼された事件は、100%解決する」が売り文句の興信所の社長チ・ヒョンスは、ある少女から犬を捜してほしいという依頼を受け、少女とともに人里離れたペンションを訪れる。しかし犬の痕跡を捜す最中に謎の男に襲撃され、ヒョンスは意識を失ってしまう。病院で目を覚ますと依頼人の少女は行方不明となっており、ヒョンスは誘拐事件の容疑者にされていた。ひょんなことから検事と間違われた彼は、そのまま検事になりすまして捜査を開始。少女を捜し出し、自分を陥れた犯人を見つけるべく奔走するが、事件の裏にはかなりの大物が関わっていることが判明し……。監督はキム・ギョンウォン。出演はチュ・ジフン(ヒョンス)、パク・ソンウン(ドフン)、チェ・ソンウン(ファジン)ほか。

 

 なぜあの犬が人懐っこいと言われながらヒョンスにしか懐かないのか、なぜ捜索の仕事にいちいち粗があるのか、なぜチグハグな脚本なのか、ラストの10分に畳みかけるように回収していく様は圧巻だった。ヒョンスとその仲間たちに騙されるファジン監察官はいわばこの映画の観客と同じ立場だ。ファジンへ感情が移入していけば行くほど最後の伏線回収は驚くと思う。

 

 かなりスタイリッシュな演出でちょっとルパン三世から影響を受けている気がするが、ヒョンスとその仲間たちの構成もけっこう意識していると思うし、ファジンは完全に銭形だと思う。映画音楽もけっこう雰囲気をよせていると感じた。ファジンの役柄は今までの韓国映画だったら伝統的に男性が演じているような役柄だったと思う。

 

 全体的にやはり雑だなと思うところはあるし、ヒョンスの仲間の自己犠牲を美化しすぎている気もするが、娯楽作としては申し分ない出来だった。