『ハント』 (Hunt) [2022年韓国]
1980年代の韓国。安全企画部(旧KCIA)の海外班長パクと国内班長キムは、機密情報が「北」に漏れたことから、組織内にスパイがいることを告げられる。組織内の人間全員が容疑者という状況の中、パクとキムはそれぞれ部下とともに捜査を開始する。二重スパイを見つけなければ自分たちが疑われるという緊迫した状況下で、スパイを見つけ出すことができないパクとキムは互いの動向を監視するようになり、次第に対立を深めていく。そんな中、大統領暗殺計画が発覚し、その緊張は頂点に達する。監督&脚本&出演はイ・ジョンジェ(パク)、チョン・ウソン(キム)ほか。
イ・ジョンジェが監督も脚本も出演もこなしているんだけど、こんな面白いアクション映画作ってしまって...何でもできるな、凄い。こういう監督もやって出演やってていうのはハリウッドの専売特許だと思っていたが、韓国はもうそこまで行ったのか。
1980年代の南北の緊張関係という事実をベースにそこからかなり脚色するのだけど、正直その脚色の部分がドラマチックにしすぎて個人的に好きになれなかったのは否めないな(それでもすごく面白い映画だけど)。Xでこの映画を褒める文脈で女性の描き方が良いみたいな感想が流れてきて、すごく期待していたんだけど、観てみると全くそんあことなく、むしろ積極的に男性の暴力の被害者になっていたような気がするけど。またそのせいか主人公のパクの冷淡な性格だが唯一感情が揺れ動くのが自分に付属する女性が何か被害にあった時だけなのも何だかな。唯一男性に付属しない女性の登場人物が北朝鮮のスパイに出てくるんだけど、それがもうなんか友近のコントのキャラクターみたいなビジュアルで笑ってしまった...