@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『マイ・スイート・ハニー』

 

『マイ・スイート・ハニー』 (Honey Sweet) [2023年韓国」


製菓会社で研究員として働く45歳のチャ・チホは、天才的な味覚を武器に数々のヒット商品を生み出してきた。自宅と会社を往復するだけの毎日を送っていた彼は、明るくエネルギッシュなシングルマザーのイ・イルヨンと出会う。イルヨンはチホの優しさや純粋さにひかれていくが、恋愛経験のないチホには恋という感情すら分からない。これまで経験したことのない感情に戸惑いながらも、イルヨンと過ごす日々はチホにとって特別なものになっていく。そんな矢先、ある事件が起こる。監督はイ・ハン。出演はユ・ヘジン(チホ)、キム・ヒソン(イルヨン)、チャ・インピョ(ソクホ)、チン・ソンギュ(ビョンフン)、ハン・ソナ(ウンスク)、ヒョン・ボンシク、ユン・ビョンヒ、イ・ジュニョク、チョン・ウソンほか。

 

 チホとイルヨンの出会うきっかけの設定に少し異議ありなのだが(あれだとお金目的みたいだ)、一度も交際経験が無いチホがイルヨンみたいな積極的な女性に惹かれたり、イルヨンみたいな色んな男性と交際してた中で子供みたいに純粋なチホに惹かれたりするのがすごくリアルだと思うし、すごく説得力ある中年のラブコメだと感じた。料理をしないチホが仲良くなるきっかけが家庭料理っていうのも凄くこの年代の男性あるあるだなと納得するが、「結局男性は女性の手料理に弱いのかい」と暗々たる気持ちにもなる。この一筋縄でいかないっていうのがまさに中年の恋愛なのかなと。お互い色々あるからね、そりゃそうだ。ただイルヨンの職場でのセクハラを笑いにしたり、ソクホがイルヨンを殴ったり家に押しかけてイルヨンの娘を脅したりしたのにその後何ともなかったようにみんなで仲良くしていたりするシーンは無理があるかなと。

 

 全体的にとても面白く、特にというかやはりというか主演のユ・ヘジンがとにかく魅力的だ。まあ一応ユ・ヘジンは韓国映画の中では三枚目扱いだし(私は全くそうは思わないけど)、そんなユ・ヘジンがラブコメをやるよっていうのが本作最大の売りなので、その売りは最大にいかされているので映画としては大成功だと思う。あとユ・ヘジンだけじゃなくてヒョン・ボンシク、ユン・ビョンヒ、イ・ジュニョクなどこれまた韓国映画の中で三枚目扱いされている役者たちも出演しているのも嬉しかった(私は彼らも三枚目だと思わないけど、特にヒョン・ボンシク!)。あとチョン・ウソンがビックリするような端っこ役で出演している。

 

 チホとイルヨンの恋愛を家族が障害になったるするのとか、チホが常にイルヨンを見上げたりするシーンの多用など、けっこう『ロミオとジュリエット』のモチーフを随所に使っていて気が利いている。ただ欲を言えば、こういう映画の男女逆転版を見たいなというのが本音。なぜなら韓国映画は言うても男性中心主義的だし、圧倒的に中年の女性の居場所が少ないからだ。