@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

 

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(Indiana Jones and the Dial of Destiny) [2023年アメリカ]

 

考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの前にヘレナという女性が現れ、インディが若き日に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の話を持ち掛ける。それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝であり、その「運命のダイヤル」を巡ってインディは、因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラーを相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることとなる。監督はジェームズ・マンゴールド。音楽はジョン・ウィリアムズ。製作はスティーブン・スピルバーグジョージ・ルーカス。出演はハリソン・フォード(インディアナ・ジョーンズ)、マッツ・ミケルセン(フォラー)、フィービー・ウォーラー=ブリッジ(ヘレナ)、ジョン・リス=デイビス(サラー)、カレン・アレン(マリオン)、アントニオ・バンデラス(レオナルド)、トビー・ジョーンズ(バジル)ほか。

 

 子どもの時から大好きなシリーズだから楽しみに観に行った。ルーカス・フィルムがディズニー傘下になってスターウォーズがリプートしたように、本シリーズもリブートということなのか。1~4作品を観ている人は「あっ、あの人だ」みたいな感動と「あっ、このシーンは〇作品目のあのシーンだ」みたいな嬉しさがあるが、本作がこのシリーズの初見の人は「ふーん」って感じで、本作単体の評価は割と低いと思う。それにアクション映画だったこの映画より上手な作品はあるだろう(あれだけ酷評されていた4作目も愛せるでしょう)。でも本作を観終わって私はやはりこのシリーズを好きで良かったと思えたので満足です。

 

 気になった点と不満だった点だけをあげると、ますシリアスとユーモアのバランスが上手くなくて観客の感情が置き去りにされている感じがある。でもこのバランスの悪さは何も本作だけにみられるわけでなく、最近のアクション映画にみられる傾向ではある。次に新キャラクターはまあ全員良いと思ったのだが、アントニオ・バンデラス演じるレオナルドのすぐ死ぬ役柄には不満だ。私はマッツ・ミケルセンよりずっとアントニオ・バンデラスの方がセクシーだと思うのだが、ハリウッドでは冷遇されているというかヘンな役ばかり割り当てられている感じがある。ペドロ・アルモドバル監督と一緒に怒りたい。それにタイムトラベルした先のローマでインディはその地に魅せられて「私をここに置いて行ってくれ」みたいな半分自殺みたいな願望を口にするんだけど、まずインディはそんなに熱心に地中海の歴史を研究してたっけ?(というかまずしっかり研究してたっけ?) またこの手の男性キャラクターの自殺願望って最近の流行なのか別の映画でも見たけど、ぜひ廃れて欲しい。ラストのマリオンと再会して1作目のキスのクダリを反転して再現するシーンはさすがに恥ずかしくなったぞ(もともとあのシーンが好きじゃないのに)。『ゴーストバスターズ/アフターライフ』でもまったく同じ反転したシーンがあったのだが、あれは男性クリエイターの反省からきていると思うのだが、本当に反省しているのなら再現しなくてもいんだけどね。それに冒頭の若返りのCGを使ったシーンは必要だったの?3作目のオマージュだと思うけど、要らないし長すぎた気がする。

 

 このCGで若返らせる感じとか、現代に居場所亡くした男性が自分が過ごしたこともない時代に理想を見出して戻りたいと思わせるセリフとか、ジェームズ・マンゴールド監督はけっこうロバート・ゼメキスの正当な後継者感があるのだが。

 

 あとこれはこの映画を観にいった知人(男性)が「年を取ったインディを観ていられなかった。無理があった」と喋っていたのだが、まあそれはこの映画を観たほとんどの人が抱く印象だと思う。その老いについては、正直ハリソン・フォードに原因があるというよりかは脚本とか映画そのものの原因が大きいと私は素直に思ったのだが、その知人はインディの老いのみに注目していて、興味深いと思った。男性の観客なのに、男性主人公の老いを受け入れられないのはけっこう特筆すべき点だな~と。