@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『クリード 過去の逆襲』

 

クリード』(Creed III) [2023年アメリカ]

 

かつてロッキーが死闘を繰り広げた親友アポロの息子アドニスクリード。ロッキーの魂を引き継ぎ世界チャンピオンとなった彼の前に、刑務所から出所した幼なじみのデイムが現れる。2人はかつて家族同然の仲間であったが、デイムはクリードの少年時代のある過ちによって18年間の服役を強いられ、復讐心に燃えていた。クリードは封印してきた自らの過去に決着をつけるべく、デイムとの戦いに向けて猛トレーニングを開始する。

監督はマイケル・B・ジョーダン。出演はマイケル・B・ジョーダン(アドニスクリード)、テッサ・トンプソン(ビアンカ)、ジョナサン・メジャース(デイミアン)、ミラ・デイビス=ケント(アマーラ)、フィリシア・ラシャド(メアリー)ほか。

 

 『クリード』シリーズ第3作目で本作では主演のマイケル・B・ジョーダンが監督も務めている。監督を務めているだけあって彼がしたかったことが詰まっている映画である。またそれが良い塩梅で活きており、エゴみたいなものを感じなかったのも良かった。

 

 監督が明言しているだけあって(そして最大の宣伝文句だ)、本作を分かりやすく言うとNARUTOでありMCUの『ブラックパンサー』だ。昔の仲良かった友達が時を越えてライバルになってやってきた話で、そこにアメリカの黒人文化や特有の問題などが絡んできて、ラストのアドニスとデイミアンが拳を交えるころには観客の意識と興奮は最高潮に達するようになっている。すごくよく出来ていると思った。また一歩間違えれば、実はアドニスがデイミアンのような人生を送っていたかもしれないし、逆にデイミアンがアドニスのように成功できたかもしれない。二人の複雑な人生の歩みが映画をただのマッチョなボクシング映画にしていないものにしている。(まあボクシング映画は往々にしてこういう複雑な物語を組み込ませてつくる必要があるので当たり前と言えば当たり前だが、こういう大型娯楽映画でメインの二人が黒人というのはやはり今までなかったと思う。)

 

 アドニスは過去の虐待の体験から、自らの気持ちをふさぎ込んだり、すぐに暴力に訴え出てしまう悪い男性性を内面化している男性であることを、妻ビアンカと娘アマーラの目線を通して描かれている。黒人男性のなかにある悪い男性らしさとアドニスが対峙するのも進化を感じたし、最近のラップシーンとのリンクを感じたりもした。ただし向き合った末に結局戦うことを選択する辺りは、ボクシング映画と有害な男性らしさとの調和性の無さと限界を感じた。またアドニスは趣味が内容ないので(それをビアンカに指摘されていた)、とりあえず何か趣味かなんか見つけたらどうだろうか。

 

 本編終了後に日本限定で日本のアニメクリエイターと『クリード』がコラボした特別アニメーションが流れるのだが、まあ正直言うと内容が意味が分からない。『AKIRA』っぽいなとは思ったのだが、まあよく分からない。何か映画の予告編みたいな早口口調の作りで置き去りにされた気分だ。でもマイケル・B・ジョーダンが笑顔になっているのは伝わってきたので、オタク友達の早口オタク話を笑顔で聞いている風で観ていれば問題はない。