GB19940919’s diary

GB20th(https://twitter.com/GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』

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『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』(The United States vs. Billie Holiday)

 

 人種差別を告発する楽曲「奇妙な果実」を歌い続けたことで、FBIのターゲットとして追われていたエピソードに焦点を当て、彼女の短くも波乱に満ちた生涯を描き出す。1940年代、人種差別の撤廃を求める人々が国に立ち向かった公民権運動の黎明期。合衆国政府から反乱の芽を潰すよう命じられていたFBIは、絶大な人気を誇る黒人ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの大ヒット曲「奇妙な果実」が人々を扇動すると危険視し、彼女にターゲットを絞る。おとり捜査官としてビリーのもとに送り込まれた黒人の捜査官ジミー・フレッチャーは、肌の色や身分の違いも越えて人々を魅了し、逆境に立つほど輝くビリーのステージパフォーマンスにひかれ、次第に彼女に心酔していく。しかし、その先には、FBIの仕かけた罠や陰謀が待ち受けていた。

 

 ビリー・ホリデイが波乱万丈でスキャンダラスな人生をどう描くってかなり難しいが、実は現代的な基準で考えれば全く平均的なスキャンダラスさだし、むしろ音楽的にも社会的にもビリー・ホリデイの影響力はすさまじい。今更彼女の人生を伝記映画化するときは彼女の芸術的財産に焦点を当てて作るべきだ。本作はそれを見事にクリアしているので非常に好感が持てる。

 

 しかし男性が監督したからなのか同じミュージシャンのアレサ・フランクリンの伝記映画『リスペクト』(こちらは女性監督)ではセックス描写や虐待の描写は極力おさえて描いていたが、本作ではセックスやヌード描写が多いし、男性から虐待される描写も多い。(さすがに両作とも子どもが性暴力にあうシーンは描いていない) しかし映画の公判でビリーがジミーとセックスする描写で、ビリーとのセックス体位をお互い顔が見えるようにセックスしようとするシーンを大変ロマンチックに描いているシーンがあり、おそらく今までのセックスシーンの多さはこのシーンとの対比を描き出したかったからなのかと思うと理解できた。最近映画におけるセックスの体位シーンをちゃんと描き直そうとする映画が増えた気がする。私も映画の中に出てくるセックスの体位については長年の疑問があるので、こういう最近の体位を描き直そうとする運動は評価できる。

 

 映画本編はタイトルが壮大過ぎて内容が少し薄いがビリーを演じたアンドラ・デイが凄くて全く気にならない。もう少しビリーの音楽について焦点を当てるべきだとは思うが。またビリーだけでなく、彼女の取り巻きのルイスやロズリンも大変良い。特に片目アイパッチしてるロズリンのビリーを見守る視点っておそらく観客の気持ちに一番近いのではないだろうか。