@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ヴァチカンのエクソシスト』

 

『ヴァチカンのエクソシスト』 (The Pope's Exorcist) [2023年アメリカ・イギリス・スペイン]

 

1987年7月、サン・セバスチャン修道院。アモルト神父はローマ教皇から、ある少年の悪魔祓いを依頼される。少年の様子を見て悪魔の仕業だと確信したアモルトは、若き相棒トマース神父とともに本格的な調査を開始。やがて彼らは、中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判の記録と、修道院の地下に眠る邪悪な魂の存在にたどり着く。監督はジュリアス・エイバリー。出演はラッセル・クロウ(アモルト)、ダニエル・ゾバット(トマース)、アレックス・エッソー(ジュリア)、フランコ・ネロ(教皇)ほか。

 

 実際に存在したガブリエーレ・アモルト神父の回顧録エクソシストは語る」を映像化しているのだが、ほぼ脚色だろう。映画の雰囲気とかどうしてもジェームズ・ワンが手掛ける『死霊館』シリーズとの接点を探りたくなるけど、全く違う本作は独立作品らしい(ラストは何か続篇やらシリーズ継続を匂わす感じになっていたが)。だいぶブッ飛んでいる作品だったのだが(精一杯褒めている)、ジュリアス・エイバリー監督のフィルモグラフィを見ると、どうもこのブッ飛んでいる作風はこの監督の作家性のようだ。

 

 初めは少年に憑りついていた悪魔と祈りで戦う、それこそ『エクソシスト』みたいな王道の路線を期待していたのだが、それに加えてこの憑りついている悪魔の正体はいったい何者なのか的なミステリー要素も加わる。それでも最終的にはバトル要素も強くなったので、ホラーやストーリーというより限りになくビジュアル重視のアクション映画だった。

 

 イタリア(ローマ)とスペインを行ったり来たりシーン変化が頻繁に登場するのだが、おそらくほとんどCGだと思われるし、撮影はセットの中で行われている大変ミニアムな作りになっている。カソリックも神父もエクソシスト像も非常にアメリカ的だが(ハリウッド的とも言えるか)、まあそもそも神も悪魔も我々には見えない存在などだから、CGに頼り切った作品でも別に良いよね笑

 

 考察とか感想というか特になく、単純に面白い作品だった。強いて言うなら、かなり父権的で権威主義的なお話だったので、もっと悪魔や教会権力と闘うシスターたちの話が観たくなった。信仰とか不完全な人間と神について色々考えようかなと思うんだけど、やはり映画的にもビジュアル重視で脚本もサクサク進む感じで深く考えなくてもいいかなという気持ちにさせる。単純に楽しい作品だった。こういう娯楽作品は一か月に一本くらい映画館で観ないとね。