@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』



 

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』 (Carol Of The Belll) [2021年ウクライナポーランド合作]

 

1939年、ポーランド領スタニスワブフ(現ウクライナ、イバノフランコフスク)。ユダヤ人が暮らす母屋に、店子としてウクライナ人とポーランド人の家族が引越してくる。歌うことが得意なウクライナ人の娘ヤロスラワは「キャロル・オブ・ザ・ベル」を歌うと幸せが訪れると信じ、大事な場面ではいつもその歌を披露していた。やがて第2次世界大戦が勃発すると、スタニスワブフはソ連軍やドイツ軍の侵攻を受け、ソ連に占領されてしまう。ポーランド人とユダヤ人の両親たちは迫害によって連行され、彼らの娘たちは家に残されることに。ウクライナ人の母ソフィアは3人の娘を分け隔てなく守り続け、さらにドイツ人の息子も匿うことになるが……。監督はオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ。

 

 監督はウクライナの女性だそう。この映画で描かれるポーランド人とウクライナ人とユダヤ人の家族が結果的には女性1人と子どもだけが取り残され最終的に暮らしていた場所まで奪われるというのは現代にまで至る事実だ。ナチスに支配され、次にソ連に支配されたという歴史的な背景は今の東欧諸国を考えるうえで頭に入れておきたい事実だ。

 

 大変辛い話だが最後には希望を描いていたが、少し犠牲的に描きすぎている点も見逃せないなと思った。しかし戦争を子どもの視点で描く映画は少ないので(なぜか日本では多い気がする)、とても貴重な作品だろう。また子供の視点から描いていて、カメラワークもしっかり子どもの目線になっているの演出は良かったが、現代と子ども時代をもう少し明確に分ける美術や照明や視覚効果の演出があってもいいのではと素直に感じた。しかし監督はテレビドラマの監督だそうで、このへんは確かにテレビドラマのような演出だなと思った。私は映画的な演出が好きなので、このあたりは監督の今後の変化に期待かな。