@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『カード・カウンター』

 

『カード・カウンター』(The Card Counter) [2021年アメリカ・イギリス・中国・スウェーデン合作]

 

上等兵ウィリアム・テルアブグレイブ捕虜収容所における特殊作戦で罪を犯して投獄され、出所後はギャンブラーとして生計を立てている。罪の意識にさいなまれ続けてきた彼は、ついに自らの過去と向きあうことを決意するが……。監督&脚本はポール・シュレイダー。出演はオスカー・アイザック(ウィリアム)、ティファニー・ハディッシュ(リンダ)、タイ・シェリダン(カーク)、ウィレム・デフォー(ジョン)ほか。

 

 映画は主人公のウィリアムの独白から進んでいき過去のポール・シュレイダー作品と同じであるが、全体的にかなり積極的につまらなかった。アブグレイブ捕虜虐待は語られるべきことの多いことだと思うが、この映画では全くその設定が活きていないというか、ただウィリアムの復讐の動機付けのみに使われているだけである。それなのに拷問しているシーンの再現をしており映像化されているが、それもこの映画の刺激的な部分だけの作用になっており、実際の事件同様にイラク人を他者化しているだけだ。また疑似父子関係であるカークとの関係もまったく必要ない。つまらなさすぎて途中で寝落ちしたいとさえ思った。

 

 ヘタクソすぎてある意味で才能を感じたのはこの映画で唯一のしっかりとしたセリフがある女性のリンダの描き方だ。リンダ演じるティファニー・ハディッシュは画面に映るだけでオーラがある人だと思うのだが、この映画の彼女は恐ろしく魅力がない人物になっている。どうしたらあんなに魅力的じゃなく映せるのか、後世へ語り継ぐべきだ(ほめてない)。