@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『リトル・マーメイド』

 

『リトル・マーメイド』(The Little Mermaid) [2023年アメリカ]


海の王国を司るトリトン王の末娘で、世界で最も美しい声を持つ人魚姫アリエル。まだ見ぬ人間界に憧れる彼女は、嵐に巻き込まれた人間のエリック王子を救うため陸に上がる。人間界への思いを抑えきれなくなったアリエルは、海の魔女アースラに提案され恐ろしい取引を交わす。その内容は、3日間だけ人間の姿になる代わりに、美しい声をアースラに差し出すというものだった。
監督はロブ・マーシャル。出演はハリー・ベイリー(アリエル)、ジョナ・ハウアー=キング(エリック)、メリッサ・マッカーシー(アースラ)、ハビエル・バルデム(トリトン)、オークワフィナ(スカットル)、ジェイコブ・トレンブレイ(フランダー)。音楽はアラン・メンケンとリン=マニュエル・ミランダ。

 

 『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』の監督で、かつ『シカゴ』の監督でもあるロブ・マーシャルなので、アクションもミュージカルもできる監督で人選は良かったと思う。監督の作家性を殺すことで有名なディズニー実写化作品の中でも一番うまくいったのではないかな。監督が良くも悪くも妥協できるからだろう。そこに昨今のディズニー映画の音楽に多大な貢献をしているリン=マニュエル・ミランダが新たに加えた曲もキャストの個性を活かせていたので、とにかく制作も演者も上手にマッチした作品だった。ここ数年のディズニー映画が積み上げた実績が花開いた印象。

 

 本作では王子のエリックに深みのあるストーリーを与えたことで、アリエルだけが犠牲に見えるのを避けている。ラストでは若い男女二人の出発を祝うみたいな感じで、非常に後味の良い、こちらが応援したくなるような気持ちを持たせる終わり方をして良かったと思う。

 

 一つ気になったことを言うと、ラストにアリエル以外の人魚たちが総出で出てくるのだが、上半身裸の男性の人魚も出てくる。それがえらくセクシーな人魚なのだが、この映画で一番セクシーな上半身を晒すのはエリック王子の役目なのだから、上半身裸になる登場人物はエリック以外は出すべきじゃなかったか、もしくは男性の人魚にも貝をつけるべきだったと思う(本気)。

 

 皮肉屋の私がこの映画を純粋に面白いなと思ったのは(念のため言うと"好き"ではない)、ひとえにメリッサ・マッカーシー演じるアースラの魅力のおかげだったと思う。彼女はどうしたって家父長制度の犠牲みたいな存在だ。もう人形がひたすら人間を襲うだけどのパニック映画が観たくなった。そういえば『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』では人魚が海賊たちを襲う面白いシーンがあったな~、ああいうのもっと観たいな。