@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『クルエラ』

そこは血統設定じゃないといけないのですか?

 

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『クルエラ』(Cruella)

 

 

1970年代のロンドンを舞台に、クルエラ・ド・ヴィルの若き日の姿を描く。監督は『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のクレイグ・ガレスピーで、出演はエマ・ストーンエマ・トンプソンマーク・ストロングなど。

 

 『アイ,トーニャ』の監督らしく非常にブラック・ユーモアを踏まえながら1970年代のヒットソングにのせながら大変テンポよく進んでいく脚本はよく出来ていると思う。2時間以上の上映時間も全く気にならない。もちろん脚本にアラがあるが、それでもユーモアに溢れていて、美術や特に衣装は本当に凄い。同じくヴィランを描いた作品『ジョーカー』と『クルエラ』の予告編が公開されたときにかなり似ていると言われていたが、全然『クルエラ』の方がよっぽどよく出来ているし、ちゃんとユーモアに振り切っている。ただし両作品ともチャップリン作曲の"Smile"を使ってこの世の中狂ってるよな的な演出はダサいです。おそらく『クルエラ』がこういう雰囲気の映画になったのはどう考えても『101』『102』でクルエラ・ド・ビルをユーモアに演じたグレン・クローズの功績のおかげだ。改めて彼女の凄さを感じました。

 

 

 しかしどこまで言っても所詮ディズニーだなと思ってのは、クルエラが復讐する経緯で自らの血統を知ることになるのだが、正直「また血統かよ」と思ってしまった。もっと他に理由を考えることができなかったのかと思う。ディズニーはずっと父性の失敗を子どもたちが償う話を作り続けているが、最近はそれが母性に対象を変えたのかなと思う。どこまで言っても家族から離れられないのはディズニーだ。あとクルエラってどう考えてもクィアっぽいのですが(ディズニーのヴィランはみんなどこかクィアっぽい)、だからこそロンドンのアウトサイダーたちを仲間に引き連れていくのですが、それが黒人とクィアな男性ということで正直白人女性を支えるトークンみたいに見えてしまうのは指摘しておく。クィアな男性を出演させるけど、同性愛は描かない。これもいつものディズニーだけど。

 

 犬の皮をはいで洋服を作ってしまうという救いのないヴィランをこんなにもユーモラスかつ愛情深く描いているが映画の冒頭で気になる箇所があった。ホテルにエステラたちが盗みにはいるのだが、そこで泥棒の一人が日本人が泊まっていた部屋から小さいテレビを盗みつつ「こんなにテレビが小さいぞ(笑)日本人が寝ていた(笑)」と笑いながらジョークを言っていたが、テレビはホテルのものだが、この流れであの発言だとおそらくテレビの小ささと日本人の小ささを比べながら揶揄したジョークだ。アジア系への差別的なジョークだ。あのディズニーがよくこんなジョークにOK出したな。ダメだと思う。