@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ノック 終末の訪問者』

 

『ノック 終末の訪問者』(Knock at the Cabin)

ポール・トレンブレイの小説「終末の訪問者」を原作に、世界の終末と家族の命を天秤にかけた非情な決断を迫られる一家の危機を描いたスリラー。ゲイのカップルであるエリックとアンドリュー、そして養女のウェンの家族が山小屋で穏やかな休日を過ごしていると、突如として武装した見知らぬ謎の男女4人が訪れ、家族は訳も分からぬまま囚われの身となってしまう。そして謎の男女たちは家族に、「いつの世も選ばれた家族が決断を迫られた」「家族のうちの誰か1人が犠牲になることで世界の終末を止めることができる」「拒絶することは何十万もの命を奪うことになる」と告げ、エリックとアンドリューらに想像を絶する選択を迫ってくる。テレビでは世界各国で起こり始めた甚大な災害が報じられるが、訪問者の言うことをにわかに信じることができない家族は、なんとか山小屋からの脱出を試みるが……。
監督はM・ナイト・シャマラン。出演者はデイブ・バウティスタ、ルパート・グリント、ニキ・アムカ=バード、アビー・クイン、ベン・オルドリッジ(エイリック)、ジョナサン・グロフ(アンドリュー)、クリステン・ツイ(ウェン)ほか。

 

 前作の『オールド』に続き本作も原作があるので、M・ナイト・シャマラン監督の過去作と比べればとても気軽に観れるというか、たぶん伏線みたいなやつは無いと思う。私も途中から特に何も考察せず単純に作品を楽しんでいた。途中で訪問者の4人のモデルが黙示録の四賢人であることが丁寧に説明させるのだが、本来のシャマランだったらあんな説明しないで観客に「あれはいったい何だ」というのを考えさせるだろうから。それを踏まえても本作は娯楽作に振り切った作品だと思う。そろそろシャマランの分かりにくいオリジナル脚本の映画を観たいな。

 

 エイリックとアンドリューはゲイカップルで過去に襲われたことがあり、4人の訪問者にも警戒するのは過去に襲われた経験からだ。終末理論を聞いたり、暴力で脅かされたりするのも、ゲイカップルの二人にとっては違う意味で捉えるのだ。その恐怖と過去の経験だけは本物であることは私にも分かる。実は終末は嘘で街に出たらみんな普通に暮らしていましたみたいなオチがあれば良いのになと思わせる一方で、映画のラストにエイリックとウェンは世界で終末は本当に起きていたことが分かる。そこにこの映画の意地悪さがある。きっとそこがこの映画の"面白さ"なのだろう。