@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『サイレント・ナイト』

『サイレント・ナイト』(Silent Night)

イギリス人夫婦ネルとサイモンと3人の子どもたちは、田舎の屋敷でクリスマスのディナーパーティを開くことに。屋敷には夫婦の学生時代の友人たちとその家族が集まり、子どもを含む12人の男女は久々の再会を喜びあう。しかし、今年のクリスマスは例年とは全く異なるものだった。あらゆる生物を死滅させる謎の毒ガスが地球全土に拡がり、明日にもイギリスに到達するのだ。毒ガスの恐怖が迫る中、パーティには次第に不穏なムードが漂い始める。

 

 カミラ監督は本作のアート、ハーディ、トーマスの3兄弟を演じるローマン・グリフィン・デイビスくんの始め3兄弟の実の母らしく、こういう女性監督の映画に実の子どもが出てくる時代になったのかと感慨深い。

 

 生前最後に聞く音楽がマイケル・ブーブレなんて死んでも死にきれない。レズビアンカップルなんて絶対インディ・ロック聞いているだろ。とにかくクリスマスソングが流れまくる。

 

 映画は謎の毒ガスが地球全土を覆いそれがイギリスにもやってくるから、みんなで夜をともに過ごそうという突拍子もない内容でそこにコメディ要素がのっかる。ちょっとSaturday Night Liveのコントを観ている気分だ。Fワードも以上に多い(笑)

 

 しかし退屈ではないんだけど、謎の毒ガスが広まってみたいな情報がどうも十分伝わってこない(私は事前に予告編を観ていたので理解していたが、事前情報なしで観ていた人はかなり退屈で登場人物たちの悲観的な感じが全く理解できなかったんじゃないか)、もっと映画の冒頭に分かりやすく提示してあげても良かったのではないか。この辺は嫌いな監督だけどアダム・マッケイの方が上手だな。

 

 映画では政府から配布されたピルを飲めばガスで苦しまずに安楽死できるみたいな設定があるんだけど、アートはその政府から配布されたピルに疑問やら陰謀論やらを感じていて飲もうとしない。ソフィは妊娠しておりピルを飲むと赤ちゃんを殺してしまうから飲まないというぷろ・チョイスみたいな気持ちを抱いている(結果的には飲むが)。この映画自体はおそらくコロナ以降に作られており、この映画のガスはおそらくコロナでピルはワクチンだ。結果的にピルを飲まずガスを無意識的に吸って抗体を手に入れたアートが生き残るみたいなラストで、かなりアンチ・ワクチン的な話だ。プロライフ的でアンチワクチン的なラスト、それを思うとこの映画の価値観はかなりやばいのではないかな。あとレズビアンカップルだけ片割れが恋人にナイフで刺されて死亡するのも、歪んだレズビアン死亡症候群みたいで、とにかくこの映画の価値観が好きじゃない。