@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『MONSOON モンスーン』

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『MONSOON モンスーン』(Monsoon)

 

 6歳の時に家族とともにベトナム戦争後の混乱を逃れてイギリスへ渡ったボート難⺠のキットは、両親の遺灰埋葬のため、30年ぶりに祖国のサイゴンを訪れる。そこは経済成長を遂げ、かつての姿は見る影もない場所だった。ベトナム語すらままならないキットは、英語の話せる従兄弟のリーの助けを借りながら、自身の大事な場所を探し始める。そんな旅の中で、キットは自分たちの家族の亡命にまつわる、ある真実を聞くこととなる。

 

 まずヘンリー・ゴールディングのために書かれたような脚本で、彼の演技がとにかく光る映画だ。ヘンリーがゲイの役を演じるなんて、私からしたらありがとう案件である。『ラスト・クリスマス』でもこの人はハンサムだなと思ったけど、この映画ではよりハンサムに見える。映画自体は地味な映画だが、場面が頻繁に変わるので観ていて全く飽きない。また上映時間は短いので大変観やすい。

 

 ゲイの主人公が自らのルーツを探す旅は、最近だと『ユンヒへ』と同じ内容だ。しかもかなり映画を通して観光してもらおう的な意図もある感じで、この辺も非常に『ユンヒへ』っぽい。最近の流行なのだろうか。しかし『ユンヒへ』と徹底的に違うのは、主人公のキットはかなり社交的でセックスに積極的である。そのぶんかなりセックスする相手に対して少し微妙な態度をとってしまっている。そんなキットと腹を割って話してくれたルイスとイイ感じになるのはとても良い。こういうキットの態度はすぐに英国育ちだからだなというのがすぐ分かる感じになっている。(しかしどんなセクシュアリティであろうと積極的な性格じゃないとモテないなと改めて思った(笑))

 

 キットが現地の親族と交流して、少し戸惑いを感じるのはかなりリアルな難民の描き方だなと思う。ああやってベトナムを出て行った人と、残った人ではかなり生き方も感じ方も違うよなと思う。たくさんの人に観てほしい映画だ。