@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『オマージュ』

 

『オマージュ』(Hommage)

ヒット作に恵まれず、新作を撮る目処が立たない映画監督の女性ジワンは、60年代に活動した女性監督ホン・ジェウォンが残した映画「女判事」の修復プロジェクトの仕事を引き受ける。作業を進めているとフィルムの一部が失われていることがわかり、ジワンはホン監督の家族や関係者を訪ね、失われたフィルムの真相を探っていく。その過程で彼女は、今よりもずっと女性が活躍することが困難だった時代の真実を知り、フィルムの修復が進むにつれて自分自身の人生も見つめ直していくことになる。

監督&脚本はシン・スウォン。主演はイ・ジョンウン(ジワン)。

 

 ここ数か月で日本で公開された映画愛を伝える映画の中でこれが一番良かったというか、やっぱり同じ映画文化の中でも女はこうも苦しい思いをしているんだよなというのが現実だ。ああやって映画文化そのものへのラブレターみたいなものを捧ぐことができるの事態がある種の特権なのだ。

 

 ジワンがホン監督作品の修復プロジェクトに取り組む中でも生活に困窮したり、夫が生活費入れなかったりで家庭な別居したり(離婚に至らないのがリアル)、姑に悩まされたり、病気になり子宮を摘出したり、現代を生きる女性監督でも同じく辛いのだといいうのを描写する。

 

 ジワンが古い映画館でホン監督のフィルムを見つけてわずかな光を頼りにフィルムの確認をする場面なんて映画の神様が現れたのかと思わせる演出は見事だし、同僚の女性プロデューサーとの友情やホン監督と仕事した女性編集者とフィルムを編集するシーンのシスターフッドなんて泣かせるし、ジワンが恐れていた影のシーンや声が怖くなくなるシーンの回収の仕方など大変見事だ。

 

 こういう映画こそ日本で観たいのだが、日本だと主人公が女子高生とか大学生とか若い年齢になるだろうなと。中年女性を主人公にしただけでやっぱり韓国映画は立派だ。