@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』

 

『SHE SAID シー・セッド その名を暴け』(SHE SAID)

 映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発した2人の女性記者による回顧録を基に映画化した社会派ドラマ。ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターは、大物映画プロデューサーのワインスタインが数十年にわたって続けてきた性的暴行について取材を始めるが、ワインスタインがこれまで何度も記事をもみ消してきたことを知る。被害女性の多くは示談に応じており、証言すれば訴えられるという恐怖や当時のトラウマによって声を上げられずにいた。問題の本質が業界の隠蔽体質にあると気づいた記者たちは、取材対象から拒否され、ワインスタイン側からの妨害を受けながらも、真実を追い求めて奔走する。監督はマリア・シュラーダー。出演はキャリー・マリガン、ゾーイ・カザン。

 

 重厚なスコアを上手く使い非常に骨太なドラマ作品になっている。主演二人の演技は良いし、それ以上にかなり厚い原作を見事2時間10分ほどの映画におさめた監督と編集の手腕もさすがだと思う。映画のメッセージ以外でも以上に優秀で、数多あるジャーナリズム映画の中でも上位に入る出来だと思う。(賞レースに全く絡んでいないのが不思議なくらいである)

 

 まず映画の冒頭にトランプ元大統領があんなセクハラ発言やセクハラ行動を起こしても大統領になれるなんて、「なんて時代なんだ」という、この時の時代の雰囲気を強く強調していた。映画の中では被害にあった女性たちの多くが作り手側にも多かったということが強く強調され(今思い出すと女優の名前はけっこう聞いていたが作りの女性たちのことは全く聞いていなかった)、また秘密保持契約がどれほど被害にあった女性たちに沈黙をしいていたかを強調していた。共通して言えるのが、どの女性たちも自分と同じ被害にあう女性たちがもうでてきませんようにというセリフがあり、見えなくても非常に女性同士の連帯を感じるものであった(観ていて目頭があつくなった)。

 

 またこの映画はジャーナリズムとしてこの記事はどれくらい本当の事であったかを示すための努力が並大抵のことではないということを、示す映画でもあったと思う。