@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『非常宣言』

 

『非常宣言』

飛行機恐怖症のパク・ジェヒョクは娘とともにハワイ行きの航空機に搭乗するが、離陸後まもなく乗客が相次いで謎の死を遂げ、機内はパニックに陥る。一方、地上では飛行機を標的にしたウイルステロの犯行予告動画がネット上にアップロードされていた。捜査に乗り出したベテラン刑事ク・イノは、その飛行機が妻の搭乗した便だと知る。テロの知らせを受けた国土交通省大臣スッキは、緊急着陸のため国内外に交渉を開始。副操縦士ヒョンスは乗客の命を守るべく奮闘するが、機体はついに操縦不能となり急降下していく。
監督・脚本はハン・ジェリム。出演はソン・ガンホイ・ビョンホン

 

 とにかく終始ドラマチックなストーリー展開にハラハラが止まらず、そのくせ長い上映時間なので何回も腕時計の時間をチェックしてしまった(これは褒めています)。それくらいよく出来ている。年始に映画館で観る娯楽映画としては満点だし、ドラマ作品としても一流だと思う。メッセージと娯楽性の両立をこんなにも完璧にこなせる韓国映画はさすがだと思う。

 

 たまたま元パイロットがハイジャックされる飛行機に乗りんでいる、たまたまハイジャックの捜査する警察ク・イノの妻が乗り合わせている、ク・イノが体を張ったおかげで治療薬が証明されるなど、数々のご都合主義展開を踏まえてもよく出来ている映画だと思う。

 

 ただし個人的には韓国映画にしては保守的な方だなと思った。というのは韓国映画にしては役人が活躍してヒーローみたいだし(コロナ以降どうしても役人の頑張りを認めざるを得なかったことは確かにあったが)、本当の敵は外国籍企業にするあたりも自国優先主義的なところがある気がする。それを強化するかのようにク・イノがハワイよりおうちが一番みたいなセリフをはなつのだが、これはおうちが一番というセリフが必ずしもポジティブな意味合いで使われるわけではないということが私には伝わってきた(このコロナ禍で何となくみんな外国への不信感があったと思うしリアルな声だと思うが、だからこそ映画の中で聞きたくないセリフであった)。また市民運動のデモの描き方もどっちにつかずみたいな描き方で良くないなと思った(あの感じでデモを映すのはフェアじゃない気がする)。

 

 あとラストの飛行機に乗り合わせた乗客に一堂に会すシーンがあるのだが、ドビュッシーの月の光がBGMに流れてなんか死後の世界みたいな雰囲気だったのだが、あれは違うよね?みんな死んでないよね?