@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『君を想い、バスに乗る』

 

『君を想い、バスに乗る』(The Last Bus)

 

最愛の妻に先立たれた老人がイギリス縦断の旅に出る姿を描いたヒューマンドラマ。愛する妻メアリーを亡くしたばかりのトム・ハーパーは、かつてメアリーと出会った場所を訪れるため、ローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の旅に出ることを決める。50年暮らした家のあるスコットランド最北端の村ジョン・オ・グローツを離れ、イギリス最南端の岬ランズ・エンドを目指して、様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、トムは妻と交わしたある約束を胸に旅を続ける。

 

 みんな大好きティモシー・スポールが頑張る。トムがなぜこういう行動に至ったのか詳細な描写は詳しくないが、おそらく幼くして亡くした娘へのやりきれない妻の気持ちを代わりに清算したくなったからだろう。それにしても妻のメアリーの描写もあまりないので、この映画はあまりそういうものには興味ないのだと思う。

 

 本編も役者の演技に頼りっきりで脚本もかなり薄い。というかおじいちゃんが行く先々で困難に出会うも人々の優しさに助けられるというだけで、よくこれだけの内容で映画化したな。しかもおじいちゃんが優しさに触れるシーンならまだしも、ひどい目にあうシーンは画面を見ていられなくなるという苦行。

 

 でもそれ以上に酷いのがとって付けたようなSNSで有名になる的な描写である。ストーリー的にも必要ないし、個人を偲ぶ気持ちも薄れる。かなり蛇足だ。

 

 またこの映画はあらゆる点で2010年以降のクリント・イーストウッドの映画みたいな作品だ。それでもイラつくことなく観れるのはやはり主演がティモシー・スポールだからだ。役者は偉大だ。またイーストウッド映画と大きく違うのは女性への態度だろう。本作のトムのほうが女性に紳士でえらく誠実だ。おそらくこれはトムが人生の中であのコーンウォールズの生活の中で妻との時間が多かったからだと思う。妻と過ごす時間が多い男性は女性に対してああいうふうに紳士的に自然に振る舞えるんだよね。