@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『シークレット・ガーデン』

『シークレット・ガーデン』

 

フランシス・ホジソン・バーネットの古典小説「秘密の花園」を新たに映画化。両親を亡くし、親戚に引き取られたメアリーは、広大な屋敷を散策するうちに、閉ざされた庭園を見つける。やがて従兄弟のコリンや友人のディコンも加わり、メアリーは荒れ放題だった庭園の秘密を解き明かしていく。

 

 原作は未読で本作のみでの感想になる。英国独特の園芸文化が下地にあって、原作ではどうだか知らないが、映画の中では庭がとにっかう神秘化されていて、女性化されている。どうしてメアリーやコリンの母親たちが死に至ったのか、その背景があまり明かされず、母親たちの主体性とかはあまり重要視されていない。(おそらく子育てで鬱のような表情になったり、生まれ育ったところを離れた影響が何らかの悪影響を与えたのだと思う)

 

 最近だと珍しい子供が主人公の映画で、大人たちはあまり行動しない。というかあの屋敷にいる人々は全員あまり行動しない人間で、それに革命を意図せずメアリーが起こしに行ってきた感じだ。

 

 映画の背景はすごく綺麗で、CG技術の凄さを感じたし、この題材だとあれ以上面白くなるのは難しいので、私は満足だった。

 

 二つ気になることがあって、まずメアリーが白人以外の人種は全員召使だと思っているようだったので(劇中ではその偏見を指摘されていたが)、非白人のディコンとの友情は少し都合がいい展開だと思った。二つ目はこの映画(というか原作も)の自然観だ。映画冒頭ではインド(植民地)での戦争で滅茶苦茶になった自然より、自らの出自に関係することになったイギリスのお屋敷の庭に愛情を抱くようになったのは、非常に植民地主義的な自然観で、それを子どものころから抱くのは良くないな思った。