@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ミセス・ハリス、パリへ行く』

『ミセス・ハリス、パリへ行く』(Mrs Harris Goes To Paris)

1950年代、第2次世界大戦後のロンドン。夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリスは、勤め先でディオールのドレスに出会う。その美しさに魅せられた彼女は、フランスへドレスを買いに行くことを決意。どうにか資金を集めてパリのディオール本店を訪れたものの、威圧的な支配人コルベールに追い出されそうになってしまう。しかし夢を決して諦めないハリスの姿は会計士アンドレやモデルのナターシャ、シャサーニュ公爵ら、出会った人々の心を動かしていく。

 

 レスリー・マンヴィルが衣装を作っていると『ファントム・スレッド』を思い出すが、仕事人としての描かれ方ならそっちの方が良かった。王道のサクセス・ストーリーにお約束の演出、年間100本くらい映画館で映画をみている人間からするとかえってこういう王道映画がありがたいのだ。(レビューも高いし、みんな王道を欲しているのだ)

 

 人生を立て直すなら「外」、恋愛するなら「内」と言わんばかりで、登場する男性たちはみんないい感じだ。フランスでシャサーニュ伯爵にエイダは魅了されるのだが、エイダに「寄宿学校の掃除婦を思い出すよ」と疑問に思わず言ったりと結構その辺はあまり女性の気持ちを理解できていない。あの発言は傷つくよ。だったらずっと自分を気にかけてくれるアーチと恋愛関係になるのが無難だ。

 

 ラストのドレスが一番きれいに映っているのが良い。この映画のエイダはブルジョア(労働者で現金を多く持っている)で意図せずフランスで革命を起こしたのも面白く、ああいう感じでストライキを起こすのが実は大切なのだ。


 女性同士の連帯の描かれ方も良くて、従来の女性仕事映画の悪い部分をしっかり反省し、描き直しブルカラーエイダとホワイトカラーのマダム(イザベル・ユペール)の連帯を上手に描写している。