@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『シスター 夏のわかれ道』

『シスター 夏のわかれ道』
看護師として働きながら、医者になるため北京の大学院進学を目指すアン・ラン。ある日、疎遠だった両親が交通事故で亡くなり、会ったことのない6歳の弟・ズーハンが彼女の前に現れる。望まれなかった娘として早くから親元を離れたアン・ランと、待望の長男として愛情を受けて育ってきたズーハン。親戚から弟の養育を押し付けられたアン・ランは、仕方なくズーハンの面倒をみることに。両親の死すら理解できずワガママばかりのズーハンに振り回されっぱなしのアン・ランだったが、幼い弟を思いやる気持ちが徐々に芽生えめる。

 

 イン・ルオシンという女性監督。ピンク・フロイドのTシャツを着ているアン・ランにあのラストは過酷すぎる。


 姉アン・ランの苦しみや苦悩と弟ズーハンのここにいたいという気持ちが対比され描写されるのだが、それが時々無邪気な演出のせいでより残酷に見える。
アン・ランは自立心があり看護師だが医者を目指すほどの野心家だ。。ぜひ医者になって欲しい。
 

 叔母は最初はアン・ランに夢をあきらめ素直に弟を引き取り育てることをすすめるんだけど(叔母もアン・ラン父のために夢をあきらめており自己犠牲が自らの才能だと自負している)、ラストはアン・ランの夢を応援するんだけど、ああいう女性はいっぱいいるだろうなと思うし、叔母の事は嫌いになれないな。逆にアン・ラン的には好きな叔父さんが、観客にはかなりダメで嫌なやつで男性の特権を享受しダメな男を装いながら謳歌して生きていて、本当にずるい奴だと思う。中国の一人っ子政策と家父長制が女性にも男性にも抑圧を与えるという意味で叔母と叔父を対比させて登場しているんだけど、やっぱり実際女性の方がずっと不利益を被って生きているんだから、この叔母と叔父を対比させる演出はあまり良くないのかなと。

 

 一応アン・ランが病院の患者の家族に「そんな息子が欲しいか」と激高するシーンはあれど、ラストのアン・ランが弟を愛から引き取るオチは非常に好きじゃない。しかもラストはアン・ランが北京で医者になったかどうか分からないで終わるもずるい。それにアン・ランが本音だけを両親の遺影やお墓に話しかける演出も好きじゃない。

 

 本国では論争を巻き起こしたらしいが、多くの人がアン・ランが夢を諦めたことに苛立ちを覚えた人が多いことを望む。