@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』WOWOW

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』WOWOW

1969年5月13日、作家の三島由紀夫が討論会に招かれ、東大駒場キャンパスの教室に単身姿を見せる。大学紛争で当局と対立し、学内の安田講堂を占拠したものの、同年1月、機動隊の出動により封鎖が解除され、敗北を喫した東大全共闘が、政治思想面で対極に立つ三島を論破・粉砕して雪辱を果たそうと、この討論会を企画したのだった。1000人を超える学生たちを前にして、いよいよ三島と東大全共闘との熱い論戦が始まる。

 

 全体の流れとして各章仕立てに構成し少しやりすぎな演出が多々見受けられたが、かなり分かりやすく努めていて非常に面白い。難しい言葉が乱発するし、日常で私たちが使っている言葉とこの映画で使われる言葉の意味やニュアンスが少し違うのでとにかく字幕推奨である。ところどころある解説が非常にありがたい。


 映画の中で映っている三島は結構素直で自らの間違えを認めたりまっすぐな性格でかなり魅力的だ。彼の思想や発言気にせず見るだけだとカリスマ性は凄い。何より討論の場から逃げずにやってきているのは凄い。(何なら芥のほうが少し幼稚だ。しかし発言していることは個人的には芥の方が共感できる)


 映画の中で登場する当時を知る証言者や解説員の人たちも思想は違えど三島を通して互いを認め合ったりして(まあこの映画の存在が必然的にそう思わせるので普通ではある)、かなりホモエロティズムである(こういう歪んだみかたよくないんだろうけど)。女性もほとんど出てこない。

 

 あと実は三島も全共闘も共通してアメリカに対してなびく幼稚な日本国に対しての怒りと形は違えどナショナリズムを抱いているからこそ共闘できるという話で(そして両方とも日本とアメリカに負けたのだが。この負けたという言い方はあまり私も好きではないが)、私もそう思っている。それを思いながら最近の日本の政治の危なさを思う。特に今は保守が弱く、リベラルなんてもっと弱く、今は政治家や市民も含め日本人の多くが自然に排外主義で人種差別で性差別でホモフォビアで、権威主義で資本主義と天皇制と権力大好きである。今の日本の政治(しかも宗教団体とずぶずぶである)やら日本人やらを見ると、三島や全共闘の学生たちは絶望すると思うし、私もしてる。(私が日本やら諸外国の政治を批判するのは決して愛国主義からきているものではないです。念のため、てんで言うなら日本〇ねです。)