『ノイズ』
過疎化に困る絶海の孤島・猪狩島は、青年・圭太が始めた“黒イチジク”の事業が評価され、地方創生推進特別交付金の支給もほぼ決まり、復活の希望が兆す。そんな平和な日常は凶悪犯・小御坂が現われたことで一変する。圭太と幼なじみの猟師・純、新人警官の真一郎は小御坂の不審な言動に違和感を覚える。やがて圭太の娘の失踪をきっかけに、圭太は小御坂を殺してしまう。圭太、純、真一郎は島を守ろうと事件の隠蔽を計るが……。
ある過疎化が進む島でとある殺人事件が起こり、それが連鎖的に他の殺人事件を起こし、それに携わった島民たちが島と産業と若者たちを守るために嘘をつき続けるという話で、かなりありふれたお話だ。テレビだけ見て過疎化が進む島や村の社会問題を知って、それの表象だけをとって話にしたかのようなありふれたさである。
まあ実は圭太を逮捕させようと誘導してたのが純だったというのが本作最大の見どころだろうが、そこは微妙だし、そもそも最初から犯人の存在が提示された状態で進んでいく映画だから、それを越える何かを生み出すのってまあ難しいよね。(最後まで特にひねったような展開があるわけでもないし)
島民の閉鎖性も全くいきてないし(とんだステレオタイプで、こういう嘘が嘘を呼び続けるみたいな話はどこに住んでいようが起こることなんだよ)、何よりあの横暴な警察が腹立つ。それに関して特に批判的な言及されてないし。またラストの感動的な展開は必要ないと思う。あれだけでだいぶ冷める。
