@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『渇きと偽り』

 

『渇きと偽り』(The Dry)

メルボルンの連邦警察官アーロン・フォークは旧友ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷の小さな町に帰ってきた。ルークは、自身の妻子を殺した後に自らも命を絶ったのだ。町は長らく雨が降らずに干ばつに襲われており、ルークが事件を起こした背景にもそうした土地の事情があり、いわばルークも犠牲者だと思われていた。しかし、町にとどまって捜査を行うフォークは、未解決事件となっている過去の事件とも向き合うことになり、数十年も隔てた2つの事件がつながっているのではないかと疑い始める。

 

 オーストラリアの干ばつが続く内地が舞台である。田舎のため土地が乾いているように、人間関係も非常に乾いている。

 

 映画は町で起こった昔の事故と現在起こった事件が同時並行で進んでいく。映画の途中までは「よくある田舎での殺人事件か?」それとも「何かほかにどんでん返しがあるのか」を期待するような展開が続く。

 

 結局、事件の真相は金の工面で苦労していた小学校の校長の汚職を知ったのが原因で校長に殺されてしまうという、大変小さい真実であるが、それを隠すためにゲイの二人が証言を隠蔽したり、ルークの昔からの問題行動が言及されたりと、複雑性を帯びる演出が随所にされている。そしてそれをスリリングにみせる演出は見事だし、これぞ映画って感じだ。まあよくある話だが、オーストラリアの地域性はしっかりと出ていたのでそこは大変良かった。

 

 ただし最後に昔の事故の真相が発覚するんだけど、それがどのようにみんなに知るようになったのか、それとも主人公の中でしか解決されてしかなかったのか詳しくは分からず、被害者の女性の主体性が全く回復しない演出でそこは疑問が残る。