@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『スーパー30 アーナンド先生の教室』

 

『スーパー30 アーナンド先生の教室』

貧しい家庭に生まれたアーナンドは数学の才能を認められ、イギリス留学のチャンスを得る。しかし家計からその費用は出せず、当てにしていた援助も断られ、いつも励ましてくれた父も心臓発作で他界。留学を断念し、町の物売りとして暮らしていた彼は、予備校を経営するラッランに見いだされて人気講師となる。やがてアーナンドは路上で勉強する貧しい若者との出会いをきっかけに、私財を投げうって私塾「スーパー30」を開設。意欲と能力がありながらも貧困で学ぶことができない子どもたち30人を選抜して無償で寮と食事を与え、最高学府・インド工科大学を目指して数学と物理を教え始める。教育をビジネスとしか考えないラッランに妨害されながらも、アーナンドは型破りな教育で生徒たちを導いていく。

 

 王の子どもが王になるんじゃない、能力のある者が王になるのだというセリフにある通りの話だった。そのため能力を活かすために、子ども達に教育とお金を忘れるなということでこれを実際に実践したのは大変凄いことだと思う。しかしあくまで実践した場が学校という公的な場所ではなくて、私塾という私的な空間のみでそこは疑問が残る。というかこの映画は全く公的な機関の話は出てこない。なんというか話が非常に新自由主義のようだった。アーナンド先生みたいなカリスマ塾講師って新自由主義と相性がいいもんな。個人的にはやはり公的な機関での改革とか教育の自由や平等の話を観たかったのだ。日本のポスターには親ガチャなんて関係ないとか書いてあるけど、塾ガチャには成功している子ども達の話であるので、あまりこういう宣伝文句はよくないだろう。

 

 映画としてはちゃんと王道のインド映画の作りで途中にミュージカルシーンが差し込まれたりして面白かった。特に英語も大事だけど自分たちの言葉も大事だよという歌は良かった。

 

 またラストの塾生たちがマフィアを追っ払うみたいな話は脚色でも少しやりすぎな気がする。私だったらカットして上映時間を短くするかな。またアーナンド先生の彼女らしき女性も凄く都合の良い描かれ方だったけど、最後は恋愛オチにはならずアーナンド先生との恋は実らず終わったのは良かったと思う。アーナンド先生の恋愛より自らの信念を突き通す姿の方がいいから、この失恋描写で良かったと思う。