@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『デリシュ!』

 

『デリシュ!』

フランス革命前夜の18世紀フランスを舞台に、世界で初めてレストランを作った男の実話をもとに描いた人間ドラマ。1789年。宮廷料理人マンスロンは、創作料理「デリシュ」にジャガイモを使用したことで貴族たちの反感を買って解雇され、息子を連れて実家へ帰ることに。ある日、マンスロンのもとに謎めいた女性ルイーズが料理を習いたいと訪ねてくる。彼女の熱意に負けて料理を教えることになったマンスロンは、失っていた料理への情熱を徐々に取り戻していく。やがてマンスロンはルイーズと息子の協力を得て、一般人のために開かれた世界初のレストランを開店する。

 

 まず18世紀の田舎の雰囲気を演出するため、太陽光など自然の光を効果的に使った撮影は綺麗だし、食事もとても美味しそうに見える。史実にどれだけ詳しいか全く知らないが、貴族たちの嫌な感じはだけはリアルだと思う、あれだけは明確に分かる。また個人的にはもう少し革命の要素が欲しかった気がする。

 

 男性が女性に料理を教える構図は時代的に仕方ないししても(そもそも厨房に女性は入れないとか、女性の料理人はいないとか当時確認した人いるのか?本当はいるはずでは?と思う)、マンスロンとルイーズの恋愛描写は必要なのかと思う。ルイーズももう少し料理をして自立するシーンがあってもいい気がする。この時代の女性の料理人映画としてはやはり1987年に公開された『バベットの晩餐会』の偉大さを思い知る。(後者はフランス革命後だけど)

 

 しかし、マンスロンの料理のモチベーションがまずその辺の男の料理人と違って、他人に依存している。お金持ちになりたいとかでもなく、とにかく他人に依存している。城にいた時はあの伯爵に対して依存しており、追い出されたら追い出されたで急に料理のモチベーションが下がるし、とにかく面白い。色々あって結果伯爵を見限って次はルイーズが好きだから料理を始める。そしてルイーズがいなくなると急に料理のモチベーションが下がる...こういう男性は意外じゃないかな。とにかく料理のモチベーションが愛なんだよね。おそらく映画の中で言及されていたルソーの「自然に還れ」を愛という形で実践したのがマンスロンなんだろうね。