@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『スティルウォーター』

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『スティルウォーター』(Stillwater)

 

逮捕された娘の無実を証明するため、異国の地で真犯人を捜す父親の姿を描いた。留学先の仏マルセイユ殺人罪で捕まった娘アリソンの無実を証明すべく、米オクラホマ州スティルウォーターから言葉も通じない異国の地へ単身渡ったビル。現地の協力者を得るも、ほとんどの地元民はよそ者のビルに口をきこうともしない。何者かの襲撃を受けるなど自らの身にも危険が迫る中、ビルはわずかな手がかりを頼りに前進していくが……。

 

 アメリカの映画だけど本編のほとんどをフランスが舞台である。また英語以上にフランス語のセリフが多い。ビルが現地のフランス人と会話するのはヴィルジニーが通訳することでコミュニケーションしていたが、こういうコミュニケーションは最近のアメリカ映画の流行なのかと思う。まあ都合よく英語喋れる登場人物入れるより本作の言語の扱いのほうが映画にリアリティが増すのでこっちのほうで正解だと思うし、昨今のアメリカでも字幕を読む文化がようやく定着してきたらしいのでこの映画のスタイルが主流になると良いと思う。『ハウス・オブ・グッチ』の言語の扱いがダメすぎたんだと思う。カミーユ・コッタンが両作に出ていたので比べてしまった。

 

 自分の娘のために命をかけて行動するというプロットは世に溢れているが、まずこの映画はその大切なプロットを皮肉っているように父親のビルの行動が上手くいかない。また娘を助けるために力を貸してくれたヴィルジニーとその娘マヤととても良い関係になったのに、最終的には娘のために手放すのも珍しい展開。面白いのが、この映画はビルの一方的な振る舞いが周りの女性たちを巻き込んでいるのに、最終的にはヴィルジニーとマヤは警察に捕まることはなかったし、娘のアリソンも無実が決まり釈放されるので女性がひどい目にあうことが無い。むしろアリソンとヴィルジニーとマヤの描写は非常に丁寧であるし、アリソンがフランス語でマヤと喋るシーンはアリソンがしっかりとフランスで勉強していたことを非常に良い表現で表していた。この映画は男性が主役だが、たぶん全体的に女性の方がセリフが多い。

 

 映画の冒頭とラストだけビルとアリソンのふるさとである映画のタイトルにもなっているスティルウォーター(ここの土産品がちゃんと伏線に活きている)が映るんだけど、結局ビルもアリソンはフランスに行ってもアメリカ人としての良さと悪さを捨てられずにいることを表していたんだと思う。

 

 またこの映画の好きじゃないところは娘のアリソンがレズビアンで大学時代の恋愛相手のリナに裏切られて遠回しに殺しを依頼したというのが話のオチなんだが、なんかレズビアン=嫉妬深いみたいな描写で非常に好きじゃない。しかもリナの主体性は全く回復しない。