『マリー・ミー』(Marry Me)
世界的歌手カットと彼女の恋人である音楽界の新星バスティアンは、ファンの前で華々しく結婚式を挙げようとしていた。しかし式の直前、バスティアンの浮気が発覚。失意の中ステージに登壇した彼女は、客席にいた見ず知らずの数学教師チャーリーを指名し、突然プロポーズするという驚きの行動に出る。カットを取り巻くスタッフやマスコミ、ファンが大混乱に陥る中、互いを知るところから結婚生活を始める2人だったが……。
2022年に公開されるラブコメに相応しいしっかりとした倫理観とDIVA界隈あるあるで塗り固められた傑作映画であった。女性から結婚を申し込んだりするのが大変面白い。
がそれ以上に面白いのがキャット周辺の音楽あるあるだ。まずキャットが勢いでチャーリーに告白するんだけど、チャーリーが平凡な男だったため、ファンがブーイングするんだけど、これは結構リアル。DIVAってファンが熱い人が多くて、その熱さが恋人とか夫へ攻撃にかわることがあるからだ。またキャットがライブでセクシーなシスターの格好で歌ったり、浮気が発覚するメディアがPAGE6だったり、とにかくアメリカのポップカルチャー好きにはたまらない小ネタがたくさんあって大変面白かった。また主演のジェニファー・ロペスの実体験としか思えないエピソードも何個か反映されているのも面白い。でも一番この映画でリアルさを感じなかったのが、ヒットソングの扱い方である。今のご時世ではキャットがリリースした"Marry Me"とか"On My Way"とかはあまりヒットしないんじゃないかな。そこだけはあまり現実味がなかった気がする。