『アンビュランス』(Ambulance)
アフガニスタンからの帰還兵ウィルは、出産直後の妻が病に侵され、その治療には莫大な費用がかかるが保険金も降りず、役所に問い合わせてもたらい回しにされるだけだった。なんとかして妻の治療費を工面しようと、血のつながらない兄のダニーに助けを求めるウィル。犯罪に手を染めるダニーが提案したのは、3200万円ドル(約36億円)もの大金を強奪する銀行強盗だった。計画通りならば、誰も傷つけることなく大金だけを手にするはずだったが、狂いが生じて2人は警察に追われる事態に。やむを得ず逃走用に救急車に乗り込んだ2人だったが、その救急車はウィルに撃たれて瀕死となった警官を乗せていた。乗り合わせた救命士キャムも巻き込み、ダニーとウィルはロサンゼルス中を猛スピードで爆走することになる。
ブラックライブズマーターやコロナ禍以降本当のヒーローって誰だろうと考えたら、やはり人の命を救う医療従事者こそ本当のヒーローだろう。マイケル・ベイもそう思ったにちがいない。そしてこの映画を作ったのだと思う。まあ確かに黒人男性のウィルが最終的に犯人にされるのを回避するシーンは少しやりすぎな気もするが、あれは白人警官がウィルを救ってあげることに意味があると監督は思ったんだろうな。
あとは長尺の映画なのに、ずっと息もつかせない展開はさすがだし、時々見られるユーモアや映画ギャグも面白かった。救命救急士のキャムのカッコよさにやられる人は多いと思う。