@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ヴォイス・オブ・ラブ』

歳の差夫婦は辛いよ

 

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『ヴォイス・オブ・ラブ』(Aline)

 

 世界的歌姫セリーヌ・ディオンの半生をモチーフに描いた音楽映画。1960年代、カナダ。ケベック州に暮らす音楽好きな一家の14人目の末っ子アリーヌは、5歳の時に人前で歌いはじめ、その並外れた歌唱力で町の話題を集める。やがてアリーヌは歌手を夢見るようになり、母は娘の夢をかなえるため地元の有名音楽プロデューサー、ギィ=クロードにデモテープを送る。彼の尽力で12歳にしてデビューを果たしたアリーヌは、すぐに天才少女としてもてはやされるように。しかしギィ=クロードは彼女を世界的な大歌手にするため数年間の活動停止を決め、英語の特訓やダンスの授業などに専念させる。そしてついに、世紀の歌姫への階段を駆けあがる旅が始まる。それはアリーヌとギィ=クロードにとって、真実の愛と出会う旅でもあった。

 

 まずこの伝記映画に当人のセリーヌ・ディオンがどのくらい関わっているのかは知らない。本人がどうこの映画について思っているのかも知らないが、この映画はかなり変なテンポで進んでいく。それに監督兼主演のバレリー・ルメルシエの気合がすごい。12歳から現在のセリーヌ・ディオンを力いっぱい演じている。

 それにこの映画はフランス・カナダ映画で映画のほとんどをフランス語で話されている。またこれはアメリカ人が描くセリーヌ・ディオンではなく、あくまでフランス系の人々が描くセリーヌ・ディオンである。だからタイトルが"Aline"である。そのためまずこの映画で大事な曲はほとんどセリーヌ・ディオンのフランス語の歌が多い。英語の曲でグリーバル受けしそうなセリーヌの曲はダイジェスト的な扱いである。あくまで本作はカナダの至宝であるセリーヌ・ディオンの物語である。それが今までのミュージシャンの伝記映画とは大きく違うところであり、この映画が独特な世界観を持っている特徴を作り出しているのだと思う。

 

 またこの映画のもっとも重要な部分はセリーヌとマネージャー兼年上夫のギィとの関係である。セリーヌは12歳からずっとギィのことが好きだったらしく、それをギィも知ってか知らずか恋愛関係になって結果結婚まで至るけど、傍から見ればマネージャーが仕事相手に手を出している&歳の差がある&おそらく関係を持った時はセリーヌは未成年でかなりやばいんだけど、製作時点でもセリーヌの夫に対しての愛情は有名だし、何よりギィ本人が亡くなっているのを考慮して、とても丁寧なカップル描写になっている。また歳の差夫婦のリアルをかなり追求して描いているのも面白い。ショービズ界のカップルって作り話でもリアルな世界でも結構破綻するカップルが多い中、このセリーヌとギィの関係は長続きしていて、確かに珍しいくらい純愛カップルなので、確かに映画として描く題材としては良いのだと思う。