時間軸の表現の仕方が雑
『ワンモア・ライフ!』(Ordinary Happiness)
イタリアの映画は久しぶりに鑑賞した。交通事故に遭遇した主人公のパオロが天国の入り口で自分の寿命に抗議し、審議の末に92分だけ(映画の上映時間ほぼ同じ)現世に戻れることになるついうだいぶぶっ飛んだ設定である。現世に戻っている間にパオロが何回も人生を懐古して、その様子が描写されるのだが、唐突に懐古したり時間軸が不確実だったりパオロがほとんど同じ洋服を着ているため一体いつの時期の過去なのか分からないし、時間軸のいじり方がとにかくヘタクソである。
またパオロとその妻の関係は結構フランクで自由恋愛を貫いているらしく、平気で浮気するのだが、それはいいとして自分は平気で浮気する癖に妻の浮気は許せないってあまりにパオロは稚拙な男じゃないか?それにこんな稚拙なパオロにあまり疑問をもたず静かに涙を流しながら死を受け入れる妻っていう設定も都合がよすぎる。またパオロは娘にも嫌われているのだが、最後はなぜか突然娘がパオロに心を開いたりととにかく女の性格描写が雑だ。こういう寿命映画って今迄の自分の行いを悔い改めるのが基本だと思うが、パオロはずっと稚拙なままだ。とにかく全てが稚拙で雑な映画だった。