ナターシャ...(泣)
『アベンジャーズ エンドゲーム』(Avengers : End Game)
上映時間が3時間を超える長丁場だが、アベンジャーズへの11年間への感謝だと思えばなんら苦だとは思わない。しかしその代わり"ここはファンの人大盛り上がりだよね"的なファンサービスが多くて、単一作品としての価値は凄く低いと思う。なんなら前作の『インフィニティ・ウォー』のほうが良かったくらいだ。
『エンドゲーム』は初期のアベンジャーズのメンバーに華を持たせる作り。死んでしまったトニー、PTSDでアルコール使用障害になり激太りしたがまた新たな旅立ちを迎えたソー、過去に戻り一人の人間として人生を全うし年寄りとして出てきたスコット、ハルクと生きることにしたバナー、そして父親として生きることを全うしたクリント、それぞれ自分の人生を全うした。悲しいが、私には「ヒーローの人間宣言」だった気がする。
男のヒーローたちにはまるであんなに花を持たせたのに、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの扱いは凄く悪い。アベンジャーズを初期から支えた大切なメンバーにする仕打ちとしては凄く嫌だった。ソウル・ストーンを手に入れるためガモーラを殺したサノスとアベンジャーズのメンバーは同じことしてるじゃんと素直に思ってしまった。アベンジャーズのメンバーが何かあったときいっつも心配したのはナターシャ、『シビル・ウォー』でスコットを仲間のよしみで見逃したのはナターシャ、バナーのことをいつも気にかけてたのはナターシャじゃないか。アベンジャーズの面々で今まで何とか喧嘩せずにやり過ごしてきたのは絶対ナターシャの功績が大きい。しかもロシアの元スパイでセクシー要素の強い女性ヒーローってどう考えても男性のクリエイターが作り出してきたステレオ・タイプを引き受けてきたのに、私はどう考えてもマーベル初の女性そヒーロー映画はナターシャがするべきだと思っていたのに。心底ナターシャの扱いには失望した。男性ヒーローはあんなに手厚く葬られるのに、ナターシャは葬式すら開かれないなんて...