壮大な、壮大な、壮大な、ボーイズラブ
『僕たちのラストステージ』(Stan & Ollie)
ローレル&ハーディは確かにチャップリンやキートンと比べると知名度では劣る(特に日本では)。それは劇中でも指摘されているが、二人が自分たちのスタジオを持たなかったからである。しかし彼らの影響力や作品は色あせない。だからこのような映画が作られたのだ。ローレル&ハーディはとても人がいい。あんなに同じコンビでずっと続けているのは本当に二人が互いの才能を認め合い、かつ好きだからだ。good manたちだ。しかも女性関係についても全く派手ではない。本当の紳士だ(チャップリンとはえらい違いだ) しかし良い人過ぎると映画としてあまり機能しない。やはり波乱万丈ではないと。(私は地味だっていいじゃないかと思うが。)そのためローレル&ハーディの晩年を描こうとしたのだろう。
ローレル&ハーディが舞台で演じている姿はとても素敵だし、笑えた。そして何よりローレル&ハーディを演じる、スティーブ。クーガンとジョン・C・ライリーは本当に素晴らしい。またローレル&ハーディの妻たちもなかなかクセがあり人間味あふれる役柄であった。こういう男性たちが主役の映画での妻たちは基本的に添え物的な役割であることが多いが、この映画ではとても丁寧に書いてあり、感心する。ローレル&ハーディよりもしかしたらこの妻たちのほうがすごい人物かもしれない(笑)
とても笑えて感動もする映画で今年のベスト級だ。ついでに映画で一番好きなシーンは、ローレル&ハーディがく妻たちと一緒に車からテレビカメラに向かってファン・サービスをしようとローレルがハーディに提案して、ローレルが嫌な顔をしつつもちゃんとつきあってファン・サービスをしたシーンだ。あれは今年のベストシーンだ。(妻たちもそのファン・サービスにつきあっている(笑))