@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『シンプル・フェイバー』

 

ブラザー・ファッカーとシスター・キラー!

強い者には強い態度で挑め!

 

f:id:GB19940919:20190328200312p:plain

 

『シンプル・フェイバー』(A Simple Favor)

 

 ニューヨーク郊外に住むステファニー(アナ・ケンドリック)は育児や料理についてのブログを運営しているシングルマザー。ある日、同じクラスに息子を通わせているエミリー(ブレイク・ライブリー)に誘われて、豪華な邸宅をたずねることになる。事故で夫を失い、保険金を切り崩しながら子供を育てている朗らかで気立ての良いステハニーと、スランプに陥っている作家の夫、ショーン(ヘンリー・ゴールディング)と愛し合い、華やかなファッション業界で働くどこか気怠くミステリアスなエミリー。対照的な二人だったが、お互いの秘密を打ち明けあうほど親密な仲になった。

 そんな中、ステファニーは息子を学校に迎えに行って欲しいとエミリーから依頼される。その後、エミリーは息子を引き取りには現れず、失踪。親友を助けたいと思ったステファニーは、残されたエミリーの息子とショーンの身の回りの世話も買って出て、自身のブログでも情報を募る。手掛かりを求めてエミリーが働くオフィスへ訪ねるものの、行方はつかめず。やがて、ミシガン州でエミリーを目撃したという情報が入るが…

 

 

 私が『デンジャラス・バディ(The Heat)』『スパイ(SPY)』『ゴーストバスターズ』を始めとした作品を作るPaul Feig監督の大ファンであるので(ついでに顔も好き(笑))、他の作品とは違い冷静に批評できないし、ただのファン目線になるのでそこだけは予めご了承ください。

 

 

f:id:GB19940919:20190329013812j:plain

 

  ポール監督が目指したのは"校外ノワール"ということで、作品の仕上がりもポール監督の過去作と比べるとかなりホラー寄りの作りになっていて、彼の作品作りの幅広さを感じた。しかし、随所にコメディが散りばめられており、そこはいつものパール監督であった。ちなみにこの作品ではいつも脚本に参加しているポール監督は監督と製作のみ。そもそもダーシ・ベル(普段はシカゴで幼稚園の先生らしいです)の原作「ささやかな頼み」が元ネタでその上に脚本をジェシカ・シャーザーが書いている。(二人とも女性) ポール監督が脚本に参加していない監督作品は『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』以来で、確かに"一筋縄ではいかない女性の友情?!"を描いているという点では両作品は似ている。ほそらくポール監督が脚本を書いた場合、もっと笑えてクールな女性の友情を描くと思うから。ポール監督の過去作が好きな人は私も含めて度肝を抜かれるこの作品の女性象ではある、その辺を見てもやはりいつものポール作品ではない。その証拠に、彼の作品にいつも出てくるお馴染みのキャストが出ていない。この作品ではどちらかというと、女性同士の友情を期待しているとカウンターを食らうので、その辺は期待しないように。(パンフに書いて合あるように、フェミニズムは鞘の中に収めたほうがいいかも) しかし前作にはない視覚的な部分はポール作品を感じるところがある。

 

 まずはエミリーとステファニーの仕事ぶりだ。エミリーはファッション業界でバリバリ働き凄い人だ。たとえ彼女が悲惨な過去を抱えていようと虚言壁や失踪癖があろうと、彼女は仕事ができるし、その卓越したコミュニケーションの能力でどこでもやっていける。一方ステファニーは未亡人でハウス・ワークを中心にしているがブロガーで料理や生活の知恵を発信している。ブロガーをやっていることを周りから揶揄されるが、後にステファニーのブログを子どもを同じ学校に通わせている保護者など役立ている人がたくさんいる事が明かされる。このステファニーの仕事ができるのに回りから過小評価されているという女性像はポール監督作品に共通している女性象である。ちなみにステファニーは最後とんでもない才能を発揮しそれを生業としている描写は笑える。またエミリーは最後、刑務所に送られるんだけど、彼女の成長譚を見ると、おそらく彼女はどこえでもやっていけるコミュニケーションにおけるサバイバル術が異常にたけているので、刑務所でも絶対にうまくやってのける。その証拠に最後のバスケシーンがあったのだろう。元々才能がある女性たちが、さらに別のそれぞれの才能を見つけるという非常に面白いオチだった。またエミリーの夫で作家のショーンも新作が売れるというオチだったが、彼の性格を表す嘘くさいという評価のオチが最高に笑えた。『クレイシー・リッチ!』ではあまり触れられてなかった"軽い男"ブリを笑うオチを作ってくれてありがたい。まあそれもヘンリー・ゴールディングの名演あってこそだったと思う。(なおポール・フェイグ監督の次回作はエマ・トンプソンが脚本担当でエミリア・クラーク共演のラブコメヘンリー・ゴールディングは出るのでそちらにも期待しましょう)

 

 映画の内容以外だと、まずは音楽。スコアはまるでヒッチコック監督作品のような感じで、ノワール感を演出している。それとは対照的に流れる60’sフレンチ・ポップがオシャレ。そしてエミリーの衣装。スーツを着こなす姿には惚れる。本当にブレイク・ライブリーかっこいい。

   

(実はこの記事を書いている途中でネットの不具合で書き直したため、

かなり短くなりました。悲しい。)